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2015/01/15~

ぼっち転生記

ぼっち転生記 WEB修正版 第101話


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(ご注意)

※こちらは、無料小説投稿サイト『小説家になろう』にて、アカウント削除されるまで公開しておいた最新の回となります。
※第1話からお読みの方は、”1~100話”までの更新が完了し、1話から順に読んでいただいた後にお読みください
 (話が飛んでしまいますので・・・・・・)
※101話 ⇒ 100話 ⇒ 99話 ⇒ 98話 ⇒ 97話 と、遡っていく(修正しつつの)更新も、させていただく予定です。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

  ◆◆◆

 夕方。

 エターナル帝国領に向け、凄まじい速度で地を駆けている魔犬たちは、
すでに、岩鬼人(トロール)の縄張り(テリトリー)、すぐそばまで接近していた。

 接近に気付き戦闘準備をして待ち構えている岩鬼人(トロール)との激突が、
今夜中にも、起こりそうだ。

 俺は、執務室にてララァによる《遠視の水晶球》で、その戦闘を見学することにした。

「お父様。トロールのほうが、勝ちやがりますよね?」

 子猫姿で、俺の膝に乗っているアルが聞いてきた。

「だろうな。岩鬼人(トロール)は、太陽の光に弱い。
 日中は動きが鈍る。逆にいえば、夜間における戦闘は――強い」

 暗視能力も持っているようだし。
 俺は、二千匹を超す戦士が集まった、岩鬼人(トロール)たちの勝利を信じていた。

 だが――
 

「あ……圧倒的でいやがるです。け、ケルベロス強すぎなのです…………」

 《遠視の水晶球》を覗きこみながら、アルはブルブル震えている。

「特にあの超デッカイ犬さん、滅茶苦茶TUEEEEEEEっっっ!!! のっ!」

 俺の頭に乗って、《遠視の水晶球》を覗いていた風精霊シィルの言うとおりであった。
 規格外にデカい一体のケルベロスは、恐るべき強さだ。
 何百体ものトロール戦士をその巨大な牙、その巨大な爪で、次々と葬っていた。

  ◆◆◆

 翌日。

 エターナル城・円卓の間では『ケルベロス対策会議』が開かれていた。

 俺と側近奴隷たちによる“円卓”に座った会議である。

 ちなみに円卓の間は、
俺が好きなアーサー王物語の“円卓の騎士”にちなんで、作った作戦会議室だったりする。
 俺の側近奴隷たちを、秘かに“円卓の騎士”に見立てたりもしている。

 出席者の中に、
 約束された勝利の剣こと聖剣エクスカリバーをもった救世主(セイバー)が入れば、
 非常にありがたいのだが。

 あいにく、そんな人物はこの場にいない。

 聖剣エクスカリバーもない。

 風系の奥義級・精霊魔法に、
 不可視かつ絶断である“真空の刃”を飛ばす遠距離攻撃型の
 《裂空断刃(エクスカリバー)》
 や、
 近距離攻撃型で風を巻いた“断てぬもののない手刀”による
 《絶刀(エクスカリバーマヌス)》
 があり、
 精霊使いの俺は、一応、使えるが。

 また、

 不可視の“真空の刃”を二本、クロスした形で飛ばす、
 《双裂空断刃(エクスカリバークロス》。

 両手による手刀――《絶刀(エクスカリバーマヌス)》を、十字あるいはXでクロスさせる、
 《極十字絶刀(エクスクロスカリバー)》。

 これらの風系における究極奥義的な精霊魔法は、習得するため、練習中であったりする。

 もっとも、今、俺が使える精霊魔法で単体相手に最も攻撃力が高いのは、
聖光系精霊魔法《|聖光の神槍(グングニル)》だが。
  “魔犬”であり、闇と魔の属性であるケルベロスたちには、
聖属性と光属性を組み合わせた、聖光系の《グングニル》が、特に効くし。 
 並みのケルベロスなら《グングニル》で数匹、まとめて串刺しにはできる。
 しかし、百匹を超すケルベロスを率いている超大型魔犬は、ただのケルベロスではなかった。

「ルナ。やはり、アレは《ケルベロス・ロード》なのか?」

 “円卓”において、俺の正面に座している側近奴隷ルナに確認する。

「……はい……。
 《遠見の水晶球》に映っていたあの超大型魔犬を文献により調べたところ、
 まず間違いなく、上位種《ケルベロス・ロード》です。
 賢者であられるアリスト先生も、そうおっしゃっていました」

 むぅ。

 ルナの言葉に俺は、頭が痛くなった。
 竜王(ドラゴンロード)と互角、
 個体によってはそれ以上だという《|魔犬の王(ケルベロス・ロード)》は、難敵すぎる。
 せめて、《|魔犬の王(ケルベロス・ロード)》、一体だけなら、まだマシなのだが。

「百匹以上、お供のケルベロスたんもいるしねっ! 困ったなぁ、なの」

 円卓のテーブル丁度中央に立ち、腕を組んでいる風精霊シィル。
 シィルを囲んで俺たちが座っているように、見えないことも無かった。

「引き連れてきたうち、数匹は、岩鬼人(トロール)との戦闘で、倒されたようだがな」

 逆に言えば、二千ものトロール戦士を相手に闘い、数匹しか失っていないのだが。
 トロール戦士のほうは、半数近く倒されるという壊滅的な損害を受け、
チリヂリになって逃げだしていたのに。
 恐るべき魔犬の群れであった。

「《遠見の水晶球》を覗いて数えたら、今はケルベロスたん、ちょうど百匹だったの!」
「ふむ」
「超おっきい犬さんこと、ケルベロス・ロードたんを入れて、百一匹なのっ」
「それで?」
「百一匹ケルベロスたんなのっ! 百一匹ケルベロスちゃん大行進なのっ!(ドヤァ)」

 シィルが、上手いこといったつもりなのか、ドヤ顔をしていた。

 以前、シィルには、前世地球の映画『101匹わんちゃん』シリーズの話をしてやったことがある。

 それで、
 百一匹ケルベロスたん、だの、 
 百一匹ケルベロスちゃん大行進だのと、
 口にしているのだろう。

 く、くだらない。

 まぁ、ケルベロス・ロード率いる、
数匹減らしても百匹もいるケルベロスの群れへの対策に
頭を悩ましていた俺にとって、馬鹿みたいに明るいシィルの軽口は、
心の重荷を軽くしてくれる効果もあるわけだが。

 天然のアホの子にみえて、シィルは、そのあたりを“計算”しているのかも――しれない。

「ご、ごめんなさい、大兄貴。お、俺のせいで」

 左側に座っている獣人の美少女が、シュン、と、なりつつ、謝ってきた。

 虎耳と虎の尻尾を持つ虎系獣人のライラだ。

 虎の仮面(マスク)をつけているので、その表情はわかりづらいが、
雰囲気から、かなり落ち込んでいるのは察しられた。
 ちなみに、ライラは俺のことを大兄貴、
俺の次に尊敬しているらしいウォルフのことを小兄貴、などと呼んでもいる。

 『誓杯(セイハイ)』の儀式による義兄弟の誓いは、まだ、だけどな。
 どうせなら、桃の花が咲き、舞い散りつつある、“春”の桃園で行いたいので。

「お、俺が調子に乗って《冥界山脈(ヘルマウンテン)》でケルベロスを狩りまくったから……
 そ、それで、ケルベロス・ロードが怒って…………
 き、きっとそうだ。お、俺のせいなんだっ」

 責任を感じて落ち込み続けるライラへの言葉を俺が考えていたら、
「ライラ。お前だけの責任ではない。オレも同罪ゆえ」
 狼頭(ロウトウ)の獣人ウォルフが、《通訳の装飾具》を通じて発言した。

 ちなみに、ウォルフの席は、俺の右隣りだ。
 ウォルフとライラに俺は挟まれている。

「しょ、小兄貴に罪はねーよ!」

 ハジかれたように顔を上げ、ライラが叫んだ。

「だって、五匹ほど狩ったところで、ウォルフの小兄貴は帰ることを提案してきたしっ! 
 大兄貴に食べてもらう分としては、もう充分だからって言って。
 充分な量の《ケルベロスの肝》をもう確保したって。
 それに、必要以上に狩ると、山の主が怒り狂うって、
 小兄貴が忠告してくれたのにっ! な、なのに俺……俺……」

 だんだんライラの声がちいさくなっていった。

 そして、俺の方を向き、涙声で
「俺……たくさん、たくさん《ケルベロスの肝》を獲ってきたら、
 目覚めた大兄貴に褒めてもらえると……思って……。
 だ、大兄貴に、ほ、褒められたくて……ご、ごめんよ、ごめんよぉぉ大兄貴ぃぃぃ」

 と、謝ってきた後、円卓のテーブルに腕と顔を伏せて号泣しはじめた。

 ………………。

「ライラ、お前はなにかを勘違いしている」

 皆の視線が俺に集まった。

「……大兄……貴……?」
「ケルベロス・ロードとその氏族であるケルべロスたちを“おびき寄せた”のは、むしろ手柄、だからな」
「え? え?」

「《冥界山脈(ヘルマウンテン)》には、
 幻の花である《青いチューリップ》が大量に咲いている場所があるらしいじゃないか。
 今後、《青いチューリップ》を採取するためにも、
 その近くを縄張り(テリトリー)としている氏族のケルベロスたちは、
 正直、邪魔だ。
 採取の邪魔をするだろうからな。
 縄張り(テリトリー)を荒らしたとして、襲ってくる可能性が高い。
 それなら、おびき寄せて殲滅し、ケルべロスの数を減らしておいた方がよほどいい。
 あいつらの縄張り(テリトリー)である《冥界山脈(ヘルマウンテン)》にて、断続的に襲われるより、おびきよせて、大草原、あるいは大城壁にて迎え撃った方が、よほどいいのだ」

 俺は一気に説明してやった。

「だ、大兄貴、ほ、本気で言ってくれている……の?」
「あたりまえだ」

 俺は隣の席に座っているライラの虎耳が生えた金髪の頭に、手を置き、
「よくやったぞ、ライラ」
 と、褒めてやった。

「だ……大兄貴ぃ……」

 なんだ。

 せっかく褒めてやったのに、結局、ライラは泣き続けてしまったぞ。

  ◆◆◆

 ケルベロス・ロードと百匹のケルベロス。
 岩鬼人たちを、容易く蹴散らした魔犬どもは、
一晩の休息後、ふたたび、エターナル手一句に向け、地を駆けてきた。
 それも、恐るべき速さで。
 このままでは、明日の朝には、エターナル帝国の帝都を守る大城壁まで接敵するであろう。
 防衛施設である大城壁にて、迎え撃つ案もあった。

 しかし、俺は――討ってでることを選んだ。
 
  ◆◆◆

 太陽が西に沈みかけ、うっすらとだが、東の空で月が見えている夕方。
 満月だ。

「アッシュ君! ケルベロスたん達、南東の草原地帯からもうすぐ来るよっ」

 シィルの忠告に、上空で《遠視》効果のある魔法眼鏡(パイロットタイプ)を装着していた俺はうなずく。

 予想通り、今日中にココまで来たな。

 帝都を囲む大城壁から、
 俺、
 ウォルフ、
 そして満月により獣人少女ライラから虎頭(コトウ)の獣半人タイガに変身していた3人は、
 背の高い草が押し茂った大草原の地まで移動していた。

 ちなみに、ウォルフには《狂月病》の発症を抑える、高価な魔法薬を飲ませている。
 獣人少女ライラの場合は、より獣に近い、
虎頭(コトウ)の獣半人タイガに満月の光で変身すれば、その戦闘力はさらに上がる。
 しかし、狼頭の獣半人ウォルフは、満月の光を浴び、
合法ロリ少女姿になってしまうと、逆に戦闘力は下がってしまうので。

「ねぇ、アッシュ君。駆けつづけて疲れているであろケルベロスたんたちを、
 休息の間を与えないで強襲するのは、バッチグーな作戦だと思うの。
 でもでも、たった3人じゃ…………」

 肩に止まったシィルに対し、俺は、
「奴隷牧場の子供たちは、まだまだ荷が重い。あまりに相手が強すぎる、からな」

 『餃子はオレが置いてきた。修行はしたがハッキリ言ってこの戦いにはついてこれそうもない』
なのである。

 それは、捨て石的になら、子供たちの使い道もあるだろうが――そんな真似を俺はしたくない。
 いや…………せっかく育てているのに、こんなところで、“消費”したらもったいないからな。

「子供たちはともかく、
 魔導師のララァたんや精霊使いでもあるレミリアたん、
 それに、格闘士として腕をあげているアンジェラたんや、
 戦闘用魔道具の使い方に長けているルナたんに、
 真正魔法と夢を操れるアルたんは、
 連れて来た方が良かったと思うの」
「…………あいつらは、帝都防衛用だ」

 俺、ウォルフ、タイガ(ライラ)が敗れ、倒れた時。
 子供たちを守る者がいないといけないからな。

「じゃあじゃあ、弓の名手である奴隷ケンタウロスたんたちは?」
「ケンタウロスたちも、子供たちを守…………帝都防衛のため、大城壁の上で待機でいい」
 
  ◆◆◆

 《姿隠し》をしつつ、俺は上空でケルベロスたちを待った。

 ウォルフとタイガ(ライラ)は、奇襲のため、伏兵として西と東に別れ、身を伏せている。

 ――予想通り、ケルベロスたちは、このあたりで、今晩は休むようだ。

 移動速度の凄まじいケルベロスからすれば、
目と鼻の先である帝都には、翌朝、体力を回復させた後、襲いかかるつもりであろう。

 させないが。

 帝都を襲う事はもちろん、休息も。

 強行軍により、疲れている軍(群れ)を休む間もなく襲うのは、兵法の基本中の基本なのだ。
 それも、休憩に入った直後に奇襲するのが、もっとも効果的らしい。
 気も緩むので。

「《|戦乙女の騎行(レイドオブヴァルキリー》)

 全精神力、全精霊力をかけ、俺は戦乙女(ヴァルキリー)たちに呼びかけた。
 空に20体以上――24体の戦乙女(ヴァルキリー)が出現する。

 初撃で。

 奇襲による初撃で、俺はケルベロス・ロードを仕留めるつもりであった。

 相手の強さを知ったからこそ、
初撃で、まさに全身全霊、全精霊力を込めた最大に一撃を放つ作戦であった。
 《姿隠し》はもう解除している。
 姿を消していても、24体の戦乙女(ヴァルキリー)による巨大な“光の槍”を出現させたら、あまり意味がない。

「我が子らの仇である人間がぁぁぁっ!!!」
「我が子、1匹に対し、貴様ら人間を10、いや、100人は食い殺してやる」
「貴様ら人間を根絶やしにするため、同族を連れて、駆けてきてやったぞっ!!!」

kerberos反転





 血のように赤い双眼を持つ三つ首の超巨大魔犬が、俺に向けて、ほぼ同時に吼えた。
 六つの赫眼で俺を睨みながら。

 だが俺は、言葉を返す代わりに――

「グン――グニルッ!!!!」

 《聖光の神槍》を全力で放った。
 殺し合い――戦争――に、来ている相手に、奇襲攻撃を仕掛けたのだ。
 喋る前に、攻撃すべきなのである。
 相手は、余裕を持てない難敵なのだから。

 っ!?

「か、躱されちゃったのぉぉぉっ!!!!」

 俺の肩に止まっているシィルが悲鳴を上げた。
 渾身の《グングニル》を、ケルベロス・ロードが跳躍し、躱したからだ。
 それどころか、その三つの咢で、上空の俺を噛み砕こうと迫ってきた。

 だがっ!

 正面(真ん中)の顔が上半分以上、消し飛んだ。

 ”戻って”きた《グングニル》に背後(後頭部)から貫かれて。

「――《グングニル》は、決して的を外さない」

 それが、《|聖光の神槍(グングニル)》の特性だ。

 俺は勝利を確信したが、すぐに、それは誤りであると悟った。
 三つの首(顔)のうち、一つをほぼ消滅させたのだが、まだ、首(顔)が残っている。
 二つも。

 ――噛み千切られるっ!

 左右、どちらかの咢で、噛み千切られ、噛み砕かれると俺は一瞬で判断した。
 逃げられるタイミングではない。

「ちぃぃぃぃぃっ!!!」

 だから、俺は前に出た。
 高速飛行で加速し、自らケルベロスの咢に突進した。
 右の首(咢)だ。

「た、大変なのっ! アッシュ君がゴックンされちゃったのぉぉぉぉっっっ!?」

 シィルが絶叫する。

 彼女も俺と一緒に呑みこまれたのだが、精霊ゆえ、身の心配はしていないのだろう。

 俺の心配だけ、してくれた。

「ぐぅっ!?」

 次の瞬間、右足の太ももに激しい痛みを覚えた。

 ――噛み千切られたか。

 5体欠損せずに、丸呑みされたかったが、そう、都合よくはいかなかった。
 あまりの激しい痛みに、俺……不覚にも気を失った。

   ◆◆◆

「アッシュ君、起きて! ウェイクア――――プッ!!!!」

「……ん……」

 シィルの叫び声で、俺の意識は戻ってきた。
 そう長い間、気を失っていたわけではない――と、思う。

 長時間、この巨大な胃の中にいたら、消化されているであろうし。

 俺は、魔法の革袋から《ユニコーンの角》をとりだした。
 欠損していた右足の部位に角を触れさせる。
 瞬間、右足が元に戻った。

「《ユニコーンの角》って、超お役立ち回復アイテムだね☆
「再生しても、まともに動かせるようになるのは、数日後だけど、な」

 《ユニコーンの角》による再生は、見た目こそ一瞬でも、
運動機能の低下を回復させるには、かなり日数が必要なのだ。
 もっとも、精霊魔法で飛行ができる俺には、それほど不便ではないが。

「さて――《裂空断刃(エクスカリバー)》と《絶刀(エクスカリバーマヌス)》、どっちにするかな」

 このまま、胃の中でじっとして、消化を待つ気はさらさらない。
 内部から肉を斬り裂き、脱出してやる。

「風の長剣こと《風精霊の刃(シルフブレード)》でもいいけ――む?」

 誰かの声が聞えてきた。
 それの2人だ。

「うぉ、ウォルフの小兄者っ! 大兄者、だ、大丈夫かな!? 
 い、生きていてくれているかな!?」
「無論。あの方が、この程度で息絶えるわけがないので」

 ウォルフとタイガの声だ。 
 “外”から聞こえてきた。
 
「俺が残りの魔犬を近づけさせぬゆえ、
 タイガ、お前は絶命させたケルベロス・ロードの腹を斬り裂き、ご主君を救うべし」
「りょ、了解!」

 ちなみに、ウォルフは俺のことを『主君』とか『ご主君』、
ライラから変身したタイガは、『大兄者』と、呼ぶことが多い。

「まっててくれよ大兄者! おおおおおおおぉぉぉぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
 
   ◆◆◆

 タイガがその両手にそれぞれもつ大斧(グレートアックス)で、ケルベロス・ロードの腹を裂き、俺を救いだしてくれた。

 俺1人でも、脱出は可能だったかもしれないが――

「助かったぞタイガ」

 そう言って俺が、タイガの頭に手を置くと、本当に嬉しそうにしてくれた。

 ケルベロス・ロードはすでに絶命していた。

 首(顔)が三つともない。

 正面(真ん中)は俺が《グングニル》で消滅させ。
 右の首はウォルフが双剣で斬り飛ばし。
 左の首はタイガが双斧で切り落としていた。

 また――
駆けに駆け続けてきた疲労の上、長(おさ)であるケルベロス・ロードを失い、
動揺の激しいケルベロスなど、俺たち三人の敵ではなかった。

 いや、ケルベロスたちが弱いわけではない。


 ただ――



 俺たちが強すぎたのだ。 





「上記の画像は、制作者『マゼラン』様から使用許可をいただきました
 ©マゼラン  無断複製・無断転記・ 無断転用厳禁」
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~ Comment ~

何で削除されたかは知らないが

こんばんは、はじめまして。
小説家になろうから読ませてもらってますが
どこであれ愉しい作品の続きを読めるのは嬉しい限り。

年末作品連続投下時、
手前、仕事に追われ斜め読みしか出来てなかったので
もう一度、読ませていただけるなら嬉しい限りです。

作品消えて、検索して見つかって喜んでる手前です。
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(管理人 ファースト)

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