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2015/01/15~

ぼっち転生記

ぼっち転生記 WEB修正版 第100話


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  ◆◆◆

 エターナル城・皇帝の執務室。
 つまりは俺の仕事部屋だ。

 火精霊系に近しい《熱の精霊・ヒートマンダー》に協力してもらい、
炬燵(コタツ)モドキを作りだした俺は、仕事部屋(執務室)に設置してもいた。

 温暖な大草原とはいえ、冬の朝や夜はそれなりに寒い。
 雪が降るほどではないし、前世、日本の冬のほうが、ずっと寒かったけど。
 しかし、転生してから、体質なのか、どうも寒いのが苦手になっている俺には、
これぐらいの気温でも、肌寒く感じていた。
 それだけに、こたつ(モドキ)は、かなりのお役立ち家具になっていたのだ。

「ぬくぬくなのです♪」

 子猫姿になっている猫系悪魔(アルプ)のアルも、こたつ(モドキ)の中で丸くなっている。

「ご主人様、あ、あ~ん」
「ん」

 もし雪が降ったら、外を喜んで走り回りそうな気がする犬……いや、狼系獣人美少女アンジェラ。
 彼女に剥いてもらった蜜柑を、食べさせてもらいつつ、俺はくつろいでいた。
 コタツで蜜柑を食べるのは、前世が日本人であった俺にとって、至福の一時(ヒトトキ)でもあるのだ。

「アンジェラ、お前、花が好きで城の花壇も世話しているけど、チューリップ栽培の具合はどうだ?」
「順調です♪ 来年の春にはチューリップさんも満開になるはずですっ」

 弾んだ声で、ニパッと向日葵のような笑顔を浮かべる獣人少女。
 純粋に花を育て、咲かせることを楽しんでいるのであろう。
 俺も、花は嫌いではない。
 しかし、チューリップ栽培に関しては、実益も絡んでいた。

 ユーシア大陸・西方地域北部。
 北海王国とか北海連邦とか呼ばれるそのあたりの国では、
“チューリップ”の人気が高まっているようだ。
 チューリップの売買、そして“投機”も盛んにおこなわれてきている。
 懇意にしている闇商人グリードからの有益情報によると、いよいよ“チューリップ投機”の熱が過熱しかけているらしい。
 来年か再来年には、チューリップが超高騰するのではないかと、グリードは予想していた。

 俺も、有りえる話だと思っている。

 地球でも、過去、ネーデルラント連邦共和国(オランダ)で、チューリップが超高騰した歴史があるし。
 チューリップ・バブルとかチューリップ狂時代とか呼ばれているほどに。
 最終的には、先物取引により破産したものが多数出たようだが。
 この世界でも、チューリップ・バブルがきてもおかしくはない。

 そうなれば。

 希少種のチューリップの場合、球根一つで邸宅が買え、
 超希少種なら、球根一つで小国が土地ごとまるまる買えてしまう――かもしれない。
 俺はバブルに備え、エターナル帝国ではチューリップ栽培を国家的事業にする計画を立てていた。

「栽培もするが――《冥界山脈(ヘルマウンテン)》の高原地帯に咲いているらしい“青いチューリップ”を、採取もしたいな」
「ウォルフさんとライラさんたちが、見たという“青いチューリップ”ですか?」

 アンジェラの問いに、俺は首肯して、
「ああ。
 おれのためにあの二人がケルベロスの肝を手に入れるため、
 《冥界山脈(ヘルマウンテン)》のかなり深くまで入っていった際、
 青い色のチューリップが大量に咲いているのを、見たらしいからな」

 ケルベロスを狩り、その肝を手に入れることを目的としていた二人は、残念ながら、“青いチューリップ”の採取まで、気が回らなかったようだが。
 まぁ、“青いチューリップ”の価値を、その時の2人は知らなかったのだから、仕方ないが。

 地球では幻の花と呼ばれていた“青いチューリップ”

 この世界でも、天然物の“青いチューリップ”は存在していない。
 存在していない、と、されている。

 しかし、《冥界山脈(ヘルマウンテン)》には咲いていたようなのだ。
 超々希少種といえる幻の“青いチューリップ”が。
 色もそうだが、冬に咲くというのも珍しい。
 チューリップ・コレクター垂涎の品であろう。

「よだれ、だらだらモノなの☆」

 俺の頭に止まっている風精霊シィルの言うとおりである。
 王侯貴族や大豪商にもコレクターはいるようだが、家財を傾けてでも、手に入れようとするかもしれない幻の“青いチューリップ”
 その花が、《冥界山脈(ヘルマウンテン)》のある地域では、大量に咲いていたらしいのだ。
 ぜひ、ゲットしたい。
 そして、チューリップ・バブルが限界近くに来た時、市場に放出し、巨万の富もゲットしたい。
 オプション取引なども駆使すれば、それこそ、途方もない額の富をゲットできる可能性はある。

 ――ああ…………それにしても金が欲しいっ………………っ!

 などと、心で呟いてみる俺。

 金があれば、それだけ多くの子供たちを、この国で養ってやれるからな。
 …………いや、将来的には、奴隷牧場の子供たちも“出荷”するつもりではあるけれど。




「アッシュ様、大変ですわっ!!!」

 血相を変えて、ララァが執務室に飛び込んできた。
 慌てていて、ノックをすることも忘れている。
 まぁ、《転移》で、いきなり部屋に跳んでこられるよりは、まだマシだけど。

「あ、お養母さまっ」

 いつのまにか人姿になっていたアルが、こたつ(モドキ)から顔だけだした。
 首から下は、コタツに入ったままだったが。

「あら、アル。あなた、本当に“おコタ”の中が好きですわね」

 慌てていたララァだが、養女アルの、可愛らしい姿を見て、おもわず顔がほころんでいた。
 アルが一度死んだという事実を知ってから、ララァは、前よりアルに対して優しくなった気はする。
 失いかけて、大切であることに気付いた――のかも、しれない。

「アルは“おコタ”大好きなのですよ! ぬっくぬくですもん♪」

 アルがニパァと笑顔をララァに見せた後、
「“おコタ”に足を入れているお父様の“匂い”もたくさん”クンクン”できますしっ♪ 
 アル、お父様の匂いも好き好きですからっ」
「ほぉそれはそれは。では、私も失礼して――」
「こら変態(ララァ)。頭からコタツに潜ろうとするな」

 俺は、ララァが着ている魔女ドレスの襟を掴んで、変態的行為を止めた。
 元が猫みたいなアルはともかく、ララァ、お前まで、俺が入っているコタツの中に潜りこもうとするんじゃない。

 …………。

「アンジェラ?」

 いつのまにか、コタツの中に、顔を含めて上半身だけ潜りこんでいたアンジェラの外に出ていた下半身がビクッと震えた。
 まさに、頭隠して、尻隠さずだ。
 いや、獣人だけに頭隠して、尻尾隠さずかもしれない。
 下半身と同時に、尻尾もピーンと立っていたし。

「ち、ち、ちがいますから!」

 コタツから顔も出したアンジェラは頬を赤くして、言い訳するように、

「ご、ご主人様のお足の匂いを堪能したいとかじゃ、な、なくて、ですね。そ、その……あの……あ……あぅぁうあぅぅぅ~」

  ◆◆◆

「で、なにが大変なんだって?」
「はい、実は――」

 俺の隣に座り、コタツに足を入れながら、ララァが事情を説明してきた。
 隣に座るのも、コタツに足を入れるのも別にいいけど――距離が近い。
 サイズのあるコタツ(もどき)なので、2人並んで座っても余裕があるのに、わざわざ、肩と肩が触れあるように、傍に座ってやがる。

「うぅぅうぅぅぅぅぅうぅぅ~~~~」

 アンジェラが不満そうに小さく唸っているではないか。

 しかし、ララァはそんなアンジェラを気にせず、
「《ララァーズ》のことは、アッシュ様もご存じかと思いますが」
「ああ、お前の弟子たちな」
「はい、真正魔法の才能がありそうな子供たちを私が、愛情をこめて育成している《ララァーズ》。
 彼らには、魔道具《遠視の水晶球》による、帝国領土内および領外の監視も手伝ってもらっているのも、
 ご存知かと思います」
「ん」

 真正魔法の使い手が増えるのは国益に沿う。
 ゆえに、宮廷魔導師ララァが奴隷牧場の子供たちから、才能のありそうな者を選び、弟子として育成することは認めている。
 《ララァーズ》などという、組織の私物化くさい名前をララァがつけているのも、別に構わない。

 問題があるとすれば――弟子を全員、“美形の少年に限定”していることぐらいか。

 ショタ好き変態女ララァは、どう考えても、自分の趣味を優先していやがった。

 女子は1人も弟子にしていないし。
 男子でも、ある程度以上、顔が整っている少年しか、弟子にしていない。
 《ララァーズ》は会長のララァ以外、全員、彼女好みの美少年で固められていた。

 まぁ、ララァのモチベーションは、弟子育成に大きく関わるだろうし、偏りまくった選抜も、現状、俺は黙認してやっているけど。

 弟子である美少年たちへのセクハラ行為がもし発覚したら、《ララァーズ》会長ララァに制裁を食らわす所存ではあるけどな。

 《ララァーズ》強制解散もありえる。

「南方の監視に当たっていた、タキきゅん――いえ、一期生のタキが、《遠視の水晶球》にて、異変に気付きました」
「ふむ?」

 お前は弟子を『きゅん』付けで呼んでいるのかという、ツッコミをしたかったが、今はスルーする。
 ララァによると、確かに、一期生タキが気付いた異変は、大事(おおごと)であった。

 《冥界山脈(ヘルマウンテン)》から、一際デカい魔犬(ケルベロス)に率いられた、百体を超すケルベロスが、この国めざし、駆けているらしいのだ。

 俺は、最強クラスの魔獣とも称される、魔犬の姿を頭に思い浮かべた。

kerberos.png




「た、た、大変ですご主人様っ」

 アンジェラが青い顔で慌てだした。

「落ち着けアンジェラ」
「で、でもご主人様」
「まだ慌てるような時間じゃない。
 エターナル領と《冥界山脈(ヘルマウンテン)》には、そうとう距離がある。
 それに、両者の間には、岩鬼人(トロール)たちの大集落もある」

 大草原・南南東部から《冥界山脈(ヘルマウンテン)》には、岩だらけの荒れ地があった。
 そして、その荒地には、岩の巨人とも呼ばれている、岩鬼人(トロール)たちが多数住んでいるのだ。
 その数は、およそ五千。
 半数近くが高い戦闘力を持つ、トロール戦士でもあるのだ。
 ムーミン谷に生息するカバに似た温和なトロールではない。
 好戦的で残虐な、岩鬼人(トロール)たちが、自分たちの縄張り(テリトリー)を侵入してきた魔犬(ケルベロス)どもを、そのまま通すとは思えない。
 交易をしており、一応は友好関係であるエターナル帝国の武官ウォルフやライラを通した時とは、わけが違うのである。
 魔犬(ケルベロス)どもが、無理に通ろうとすれば、岩鬼人(トロール)たちとの衝突は、免れない。

「な、なるほど、トロールさんたちが、壁になってくれるわけですね」
「結果的にはな」

 アンジェラを見ながら、俺は頷いた。
 魔犬(ケルベロス)は確かに強い。
 しかし、岩鬼人(トロール)たちも決して弱くない。
 そもそも、数が違う。
 岩鬼人(トロール)の大集落を抜いて、エターナル帝国領に魔犬(ケルベロス)どもが侵入してくることは、まずありえまい。

「…………だと、よいのですけれど」

 不安気な顔のまま、ララァが、歯切れ悪く呟いていた。


「上記の画像は、制作者『マゼラン』様から使用許可をいただきました
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