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2015/01/15~

ぼっち転生記

ぼっち転生記 WEB修正版 第3話


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         ◇



 風の精霊たちだけでなく、火や水、土、それに、闇や光の精霊たちとも交流を始めた。

 みな、俺の精霊使いとしての才能に驚き、好意的に接してくれた。

 精霊たちは、みんないい奴だった。

 少なくとも、人間よりもずっと。

 俺は、人間と一緒にいるより、精霊たちといる方が、ずっと楽しく、心が休まるようになっていた。
 他人とめったに口を利かない俺だが、精霊たちとはよく会話をした。

 俺は精霊たちの話を聞き、精霊たちは俺の話を聞いてくれた。

 両親との誓いを破っているという後ろめたさがあるので、精霊たちとの会話は、基本、誰もいない場所でしていたけどな。
 風の精霊シルフの力を借り、空を飛ぶことができるようになった俺は、町を抜けだし、誰もいない場所に自由に行くことが出来た。


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 お気に入りの場所は、三十分ほど、空を”全力高速飛行”で飛んだ場所にある『大草原』だ。
 見渡す限り緑が広がり、地平線まで見える大草原。
 また、町から山を越えた場所にあるこの大草原には、周りに人が一人も住んでもいない。
 人間嫌いの俺には、重要なことだった。
大草原で温かく心地良い風を感じながら精霊たちと大地で寝そべるのは、最高だった。

 また、土の精霊ノームの力を借りて、大草原に家を作った。
 俺だけの家だ。
 いや、俺と精霊たちの家だ。
 土を固めて作った平屋の質素な家だが、広さはかなりある。

 雨を防ぐには十分だが――最近、物足りなくなってきた。

 やはり、家具がいろいろ欲しい。
 藁を引きつめた寝床も悪くはないが、柔らかいベッドを俺の家に置きたい。
 それから――出来れば奴隷が欲しい。
 それも服従の魔法がかかっている奴隷だ。

 俺は絶対に裏切らない人間――いや、奴隷が欲しかった。

 両親の会話から、この世界には奴隷制度があることを俺は知っていた。
 奴隷の中には服従の魔法をかけられ、主人に逆らったり、裏切ったり出来ない様にされている者もいるようだ。
 もっとも、奴隷はかなり高価らしい。
 それに維持費というか、食費などもかかる。
 小さな田舎町ながら当主が地方領主である実家でも、奴隷はいない。
 まぁ、真正魔術の使える両親は、奴隷の代りに魔法生物を使役しているけど。
 《石の従者(ストーンサーバント)》の魔術で作られた小型のゴーレムみたいな魔法生物に、母親は買い物のさい、よく荷物持ちをさせていたりもする。

 あいにく、真正魔術の才能が無い俺は魔法生物を生み出すことはできないけど。
 それに、ほとんどの魔法生物は意思もなければ、言葉も喋れないらしい。
 やはり人間あるいは亜人か獣人の奴隷が欲しい。
 絶対に裏切らない奴隷を、俺は欲しいのだ。

 …………別に人寂しいからという訳じゃないけど。

 とにかく、家具を揃えるにせよ、奴隷を買うにせよ、先立つモノがいる。

 金だ。
 金が必要だ。

 もちろん両親から貰っている小遣いではとても足りない。

 そこで俺は、ある計画を立てた。

     ◆

 俺が精霊たちと交流を始めて一か月後。
 そろそろ計画を実行することにした。
 山を越えたところにある大草原で野生の動物、あるいはモンスターを狩るのだ。
 精霊の力を借りることが出来る俺なら、狩りも出来るだろう。
 そして、近辺の都市に運んで肉や素材を売りさばき、金に換える。
 その金で、家具を揃え、奴隷を購入するのだ。

 人間嫌いの俺は人ごみも苦手なので、人がウジャウジャいる都市にはあまり行きたくないが、仕方ない。
 俺の住んでいる小さな町では、狩った動物やモンスターを持って行っても、金に換えにくいからな。
 それに、目立ってしまう。
 十歳の子供であり、真正魔術も使えなければ、弓の腕前もたいしたことないのに、どうやって狩ったのかと問われも困る。

 精霊の力を使った、とは言えないし。

 両親との誓いもあるが、どうも、俺の住んでいる村では、精霊と言う名前ですら禁忌(タブー)っぽいのだ。
 俺が精霊の姿を見、声を聴き、そして力を借りられることが周囲に知れたら、マズイことが起きる気がする。
 だから、近隣の都市にまで、足を運ぶのだ。
 俺の事を知っている人間がいない街なら、真正魔術で狩ったといっても信じてもらえるだろう。
 才能のある人間の中には、十歳以下でも真正魔術を使える者もいるみたいだしな。

 両親から期待されていない俺は、相変わらずの放任教育だった。
 町の人間には親しい者がいないし、誰も俺に関心を持たない。
 町からこっそり抜け出すには、好都合でもある。

 森まで歩いて行ったあと、風の精霊(シルフ)の力で、空に飛び立つ。
 念のため、シルフの力を借りて発動させる《姿隠しの衣》で、他者からは俺の姿は見えなくもした。
 空を飛びつづけ、山を越え、谷を越え、大草原の上空まで移動する。
 おそらくだが、この大草原は人類未踏の地ではないだろうか。
 一人として、人の姿をこの大草原で見たことはない。

 それも、そんなに不思議ではないと思う。

 辺境と言っていい程の田舎町から、さらに険しい山々や深い谷を越えないと、ここまで来れないからな。
 俺が毎日超えている山は、たしかアルバス山脈という名前だ。
 麓には好戦的な異民族が住んでいるらしい。
 空を飛べる俺には、山の険しさも谷の深さも、野蛮で好戦的な異民族も関係ないが。
 人間がいないだけに、大草原には様々な野生動物がいる。
 モンスターっぽい動物もな。
 手ごろに鹿などを狩ってもいいが、出来れば大物が良い。
 もちろん、ここでいう大物とは、身体のデカさではなく、大金で引き取ってもらえそうな、という意味だ。



 空を飛びながら俺は、ある動物を獲物(ターゲット)にして、探し続けた。
 動物と言うより、モンスターだけどな。
 一時間以上、空を飛びまわったおかげで、遂に見つけ出した。

 この草原で何度か見たことのある角の生えた馬だ。
 いわゆる一角獣(ユニコーン)である。

 両親にそれとなく聞いたところ、ユニコーンの角は非常に高値で売買されているらしい。
 なんでも、傷や病気を瞬時に治せる効果があるらしいのだ。
 ファンタジー系の物語に出てくるユニコーンの角の定番と言えば定番だけどな。

 このとき、俺が発見した一角獣は二頭だけだ。
 群れからはぐれたのだろう。
 どうせだから、二頭とも狩ることにする。

 《姿隠しの衣》は非常に便利だ。

 姿だけでなく、匂いや物音・話し声も消してくれる。
 俺は低空飛行で、獲物から三十メートルの距離まで近づいた。
 《風精霊の矢(シルフアロー)》の有効射程距離は三十メートル以内だからだ。
 炎の精霊サラマンダーを数体合体させて火蜥蜴にして放つ《火蜥蜴の息(サラマンダーブレス)》なら有効射程距離は百メートルあるけど。
 もっとも、ここに炎の精霊はいないので、この場では今すぐには使えないが。

 大草原であるこの場には、風の精霊も多いが大地の精霊が多数いる。

 もっとも地精霊(ノーム)による《石礫(ストーンブラスト)》は、威力こそかなりあるが、あいにく、射程距離は短い。
 それに、地面から石つぶてを発生させる《石礫(ストーンブラスト)》では、下手したらユニコーンを殺しかねない。

 それでは、この一カ月、俺がした特訓が無駄になる。
 俺は、可能ならばユニコーンを殺さないで角を手に入れるため、ある特訓をしていたのだ。

「この距離なら、《風精霊の矢(シルフアロー)》は届くよな?」

 俺はシルフ達のうち、顔の付近を舞っているシルフに尋ねた。

「うん。でも、アッシュ君は《風精霊の矢(シルフアロー)》を今は使えないの」
「え、なんでだよ」
「《風の翼》と《姿隠しの衣》を同時発動させた上に、《風精霊の矢》までなんて無理過ぎるの。いくら天才のアッシュ君でも今はまだ、三つ同時発動は無理のムリムリなの」
「あ、そうか」

 練習はしているものの、同時発動は二つまでしかまだ俺は成功していない。

 地上に降りて《風の翼》を解いた。
 ユニコーンに逃げられては困るので、《姿隠しの衣》はギリギリまで発動中にする。

「よし…………《風精霊の矢・改》を使うぞ」
「みんな合体なの」
「「「「「おーーーーーーーー」」」」」

 風の精霊たちが宙に浮かんだまま、それぞれの両足を両手で掴む。
 九体の風精霊による梯子、いや、槍が完成する。

 俺は一体のユニコーンに狙いを定める。

「GOっ!」
「「「「「「OKっ!!!!!!!!!」」」」」」

 俺が掛け声と共に指を向けると、風精霊たちは叫びながら一本の槍と化して凄まじい速さで飛んでいく。

 狙い通り胴体――ではなく、角の根元を風精霊はぶち抜いた。

 さらに俺は、人差し指と中指を合わせながら、素早く動かした。
 もう一体の角を根元から折る為にだ。
 指の動きに合わせ、槍(風精霊)は方向転換し、もう一体のユニコーンに向かっていく。
 狙いを外さず、二本とも、角を根元からブチ折る事に成功した。

 ユニコーンの角は相当な強度は持つと父親が言っていた。
 通常の《風精霊の矢》では、折る事が難しそうだった。
 だから俺が考え、風精霊たちと特訓して編み出したのがこの《風精霊の矢・改》だ。
 十体近い風精霊たちが一本の槍となって突撃することにより、その威力は非常に増していた。
 ちなみに、矢というより投げ槍に近いので、名前を《風精霊の投槍(シルフジャベリン)》にしようか迷っている。
 誘導できるので、ただの投槍(ジャベリン)より、威力、命中率ともに段違いだけど。
 投げてそれっきりである投槍(ジャベリン)と違い、何度でも攻撃できるし。

 しかし、変だな。

 角を折っただけなのに、ユニコーンは二体とも、その場に崩れ落ちるように倒れてしまった。

 なぜだ?

 俺は出来る限り無意味な殺生はしたくないから、角こそ折ったが、身体を傷つけてはいない。
 今回は角が欲しいのであって、ユニコーンの肉は別にいらないからな。
 角を折るだけで、殺さないようにしたつもりだ。

 ……そのはずなのだが。

 風精霊たちがユニコーンに近づき、そのうち一体が叫んだ。

「……し……死んでる!」

 アレ?


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