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2015/01/15~

神眼の勇者

神眼の勇者WEB修正版 第7話


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   ◆

 奴隷という言葉には忌避感はまだある。
 しかし郷に入れは郷に従え。
 この世界では、奴隷が普通に存在するならば、俺も受け入れるべきだろう。
 それに、ミリアたちと俺の関係は、ギブ アンド テイク とも言える。

 家事もまともに出来なくて、生活力に劣る俺の身の回りの世話を彼女たち奴隷がする。
 俺は代りに、自分の奴隷である彼女達を保護する。

 一種の契約関係と思えば、抵抗感は薄まった。
 俺などに果たして彼女達を守っていく力があるのか、疑問だが。
 まぁ、俺はこの世界なら、それなりに身体能力も高くなっている。

「(なんとかなる……かな?)」
 
 俺には馭者(ぎょしゃ)として馬車に乗る技能などない。
 そもそも、馬にも乗れない。
 しかし、ミリアとカチュアが馬車を操ることが出来た。
 身の上話を聞いたところ、どうも三姉妹の父親は敗戦国の元・貴族らしい。
 貴族の子として、乗馬のたしなみもあるようだ。
 五歳になってすぐ、奴隷に落されたマリーは、馬に乗れないようだったが。
 
 ミリアが馭者となった馬車は、
 俺、カチュア、マリー、それに双子の赤ん坊が中にいる『ゆりかご』を乗せて、街道を進んだ。
 食料、それに俺が選んで屋敷からパクッてきた、いくつかの品々も一緒にだ。
 俺の相棒とも言える、丸太も載せている。
 それも一本と言わず、十数本。
 住人のいなくなった町に放置しても仕方ないし、他の町で売れるかもしれないので持ってきた。

 窃盗行為や横領罪などに関しては、気にしないことにする。

 家主の目の前でタンスや壺、宝箱から中身をパクッていく、コンピューターゲームの勇者たちに比べれば、些細な行為にも思えるし。


 そうそう、俺が倒したゾンビたちの懐に手を突っ込み、三姉妹達は財布などを奪い取っていた。
 ミリアによると、倒したモンスターから金品を奪い取り、素材を剥ぎとるのは、この世界では当然の権利らしい。
 この世界では、モンスター相手の強奪・剥ぎ取りは常識でもあるようだ。
 昨日まで町に住む人間だったゾンビにも、その常識を適応して良いのか俺は疑問に思ったけどね。
 しかし「全然かまいませんっ!」と、力強くミリアに断言されたけど。

 三姉妹は、集めた財布を全て俺に献上してくれた。
 俺が倒したモンスターなので、俺に当然、所有権が移るらしい。
 合計で金貨七枚、銀貨五百五十枚、銅貨九百枚が手に入った。
 銀貨百枚で金貨一枚、銅貨百枚で銀貨一枚らしいので、金貨にして十二枚以上、俺は現金を持つことも出来ていた。
 また、ミリアによると、金貨十枚で、人間一人が半年は暮らせるようだ。
 結構な大金を俺は手に入れたことになる。

 馬車の行先は、神聖ガープ帝国でも有数の大都市らしい『迷宮都市ラナ』。
 土地勘のない俺は、ミリアの勧めに従い迷宮都市ラナに向うことにした。
 俺がルーアの街に向かって歩いてきた街道を、今度は逆走して馬車で進む。
 馬車に乗ることにより、一日で百キロ以上進めたと思う。

 翌日の夕方には、目的地(都市ラナ)に俺達は到着していた。
 
 ミリアの話では
「迷宮都市ラナは、いまだ最奥部まで誰も未到達である古代の大迷宮が存在する事で有名な、大都市です」
 とのことだ。

 古代の大迷宮に挑む、命知らずの冒険者達。
 その冒険者たちが迷宮から持ち帰ってくる財宝や魔導具(マジックアイテム)。
 それに、魔物を倒したさいに手に入れる素材など。
 それらを目当てに、商人や職人が集まって出来た街とのこと。
 迷宮(ダンジョン)……か。

「(俺も一攫千金を目指して潜ってみようかな?)」

 でも、俺なんか、すぐに死んでしまいそうだからな。
 迷宮には、危険な魔物がウジャウジャいて、即死級の罠もたくさん設置されているらしいし。
 まぁ、冒険者ギルドがあるようなので、登録ぐらいはしてもいい気はする。

「(冒険者ギルドにはあとで訪ねることにして――まずは、屋敷からパチってきた(パクッてきた)金目の物を換金しよう)」

 当座の生活費が必要だからな。
 なるべく高く買い取ってもらわないと。
 赤ん坊たちを入れて六人ともなれば、食費など、生活費も相当かかるし。
 持っている現金(金貨十二枚相当分)で、
 俺達六人は、1か月以上、宿屋で暮らせるらしいけど、金はあるに越したことはない。
 俺達は馬車に乗ったまま大通りを進み、交易所に向かった。

「ほう、いい材木ですね」

 交易所には複数の商人がいた。
 材木を取り扱っている商人を探しだし、馬車に乗せている荷物のうち、十本以上ある丸太を見てもらっているところだ。
 頭にターバンを巻き、口ひげを生やした商人に。

「十五本ありますが、全部一括で銀貨二百枚丁度ならいかがですか?」

 確か、神眼で見た丸太の価格は一本銀貨二十枚だった。
 十五本なら合計三百枚のはずだ。
 なのに、この商人は一本銀貨十四枚以下、合計でも銀貨二百枚で買い取ろうとしている。
 素人だと思われて、安く買いたたかれているのだろうか?

 それとも、神眼で見た丸太の価格とは店先での販売価格であり、買い取り価格としては、銀貨二百枚が適切なのだろうか?

 判断に迷った俺だが、一応、値段交渉をしてみるつもりになった。
「銀貨三百枚。それで買い取って欲しい」
「いや、それは厳しいですねぇ」
 やはり無理か。
 口下手で交渉ごとに向いていない俺は、
 商人の言い値で丸太を売るしかないかな、と、早くも諦めかけていた。
 そのとき、俺の横に立ちそれまで黙っていたメイド姿のミリアが口を開いた。

「私達の町まで引き取りにきていた『行商人』の方たちは、一本、銀貨十五枚で買いとっていました。買い取った木材をもっと大きな町の『交易所』で卸すために。
 当然、行商人の方からは銀貨十五枚以上でコチラの『交易所』でも買い取っているのでしょうから、私達からも同額で買い取っていただきたいですわ。
 確か、行商人の方たちからこの街の商会が買い取る価格は、輸送費込みで銀貨二十二枚が相場、ですよね」

 微笑みながら、淀みなくスラスラと喋るミリア。

「おや、参りましたね。こちらのメイドさんは、随分と相場や流通に関してお詳しいようで」

 商人が微苦笑をする。

「私、ある町の領主様にお仕えしていましたの。文字の読み書きや計算ができるので、帳簿付けも任されていました。
 それに町の特産である材木が行商人の方からいくらで買い取られ、いくらで卸されているかは当然ですが、店先での小売価格も知っています。小売店での一般販売価格は、一本、銀貨二十五枚、十本まとめてなら、銀貨二百四十枚が相場、だったと記憶していますわ」
「参りました。ええ、参りましたよ。では、行商人から買い取っているのと同額である銀貨三百三十枚で買いとらせていただきます」

 おどけながら両手をあげ、降参するかのような仕草を商人がした。

「手形ではなく、現金一括のお支払でお願いますね」

 ニッコリ微笑みながら、ミリアが言葉を追加していた。

「はいはい、一括ニコニコ現金払いですね。そんな笑顔で手形が駄目と先に言われては仕方ありません、ええ、全て現金でお支払いします」
「それから、お支払いはこのあたりで、最も銀の含有率が高いゴルドバ銀貨でお願いします」

 商人の微苦笑が、やや引きつってきた。

「…………ゴルドバ銀貨は、人気が高いので、今、手元にあまりないのです。半分はゴルドバ銀貨、もう半分は他の銀貨でよろしいですか?」
「では、残り半分はリュルミス銀貨かミリネ銀貨で。混ぜ物の多い悪貨であるラバス銀貨やミード銀貨でのお支払いは、申し訳ありませんが、お断りさせていただきますわ」
「………………」
「それから、縁を削ったりして、銀の含有率が減っている銀貨は絶対に混ぜないでくださいね」
「…………………………」

 商人の顔から笑顔が完全に消え、凍りついている。

 ミリアさん、やりすぎではないですか?

 商人が怒りだしはしないか、俺が心配していると――微笑しながら、そっと商人の手をミリアが握った。
 包み込むような優しい握り方だ。

 そして商人の目を見つめ、
「ラスクさんのような誠実そうな男性が、そんな卑劣な真似するわけないと私、信じていますから」(ニコッ)
 ラスクと名乗っていた商人は、魅入られたように、しばらくミリアを見つめていた。

「え……あ……も、もちろんですよ。当然じゃないですか。ハハハ。ぜ、全部、正式な重量の良質な銀貨でお支払しますともっ!」

 言質をとることに、成功したようだ。

 ミリアさん、やり手すぎるっ!


 丸太を売り、現金に変える事は上手くいった。
 全部売らず、一本ぐらいは武器として手元に置いていても良かったかもしれないけどな。
 まぁ、丸太なんて、どこでも買えるだろう。
 必要なら、また手に入れればいい。
 それに、いくら強力でも、丸太を主武器にするのは、見た目がよろしくない。
 やはりどうせなら、剣を使っていくことにしよう。

 勇者や剣士の武器といえば、やはり『剣』だからね。

 ――この時の俺は、思いもしなかった。

 今後、俺の人生に『丸太』が深く関わってくることに。



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シィルぼかし

シ「金貨とか銀貨って、イロイロ種類があるんだね」
シ「ややこしいの。統一しちゃえばいいのに」
2普
マ「そう簡単にはいかないのよ」
シ「金貨とかの硬貨といえばね。アッシュ君がね~ウシシシ♪」
マ「な、なによその気持ち悪い含み笑い」
シ「皇帝であるアッシュ君は、自分の国で使用する独自の硬貨をね」
マ「うんうん」
シ「鋳造する計画があるんだけど――それがなんと――」
マ「もったいぶらずに、早く言いなさいよ」
シ「デザインに私の顔を肖像画として描いてくれる予定なの☆」
マ「マ……マジで」
シ「それだけじゃないよ! 活版印刷機の導入により」
シ「”紙のお金を刷る”計画もたてているんだけどぉ」
シ「それにも私の顔を載せてくれるらしいの! どぉだ☆」

シィル スター


マ「…………なんか……凄い……わね」
シ「単位は”シィル$”なの☆」
マ「……本気なのか冗談なのか、判断できない……」

シ「さぁて次回は」
シ「『心臓打ち(ハートブレイクショット)がハードにクリティカル』なの!」
シ「みんな読んでくださいね~なの☆」



シ「んが、んぐ」


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