【移転しました】ぼっち転生記と神眼の勇者とチート開拓記+きのこ【ファースト】

【ぼっち転生記と神眼の勇者とチート開拓記+きのこ】

サイトの運営・充実、それに寄付(日本盲導犬協会など)などに広告収入は使用させていただきます。
2015/01/15~

神眼の勇者

神眼の勇者WEB版 第109話 『「《自動召喚(オートサモン)》』 【新規更新】


 ←神眼の勇者WEB版 第108話 【新規更新】 →Amazonアソシエイト 参加表明文
▼神眼の勇者1巻・Amazonにて予約受付中!▼ 

▲神眼の勇者1巻・Amazonにて予約受付中!▲  


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 おっと、外してしまったか。

 俺は《深き半漁人(ディープギルマン)》の脳天目掛けて丸太を振り落としたつもりだった。
 しかし、なにかに足を滑らし、打撃ポイントがずれた。
 脳天ではなく、右肩にずれて当たったのだ。
 鎖骨は完全に砕いただろうが、致命傷までにはなっていない。

「しかし何で足が滑ったんだ。ピンゾロでも振ったのか――うげっ」

 オー尿っ。
 Oh(オー) No(ノー)ならぬ、Oh(オー) Nyo(ニョー)であった。
 失禁していたのだ。
 《深き半漁人(ディープギルマン)》が。
 どうやら俺への恐怖からか、失禁しながら背を見せつつ必死に扉を開けようとしていたらしい。

「ねぇマコト。ギルマンの様子が変よ」
「ん?」

 丸太の精霊マル子が指摘したとおりだった。
 肩を砕かれこそしたが、命はまだある《深き半漁人(ディープギルマン)》。
 その《深き半漁人(ディープギルマン)》は、明らかに“変”になっていた。

「うぴぴ、うぺぺぺ……ういうぽぽぽぽぽぽ…………うぽ?

 目の焦点が定まっておらず、瞳から光彩が消えている。
 口からは涎を垂れ流している。
 さらには大小まで下半身から垂れ流している。

「…………壊れちゃったみたいね」
「ん」

 どうやら《深き半漁人(ディープギルマン)》は、正気度ロールに失敗したようだ。
 正気度=SAN値が激減し、二度とココに戻ってこれないアッチの世界に旅立っていた。
 アレな世界の住人になってしまった。
 だって、

【深き半漁人(ディープギルマン)   状態:発狂(自然治癒率……0%)】


 と、俺の《神眼》には見えているし。

「なんか……可哀想ね」

 ギルマンに憐れみの目を向けるマル子。

「ああ、そうだ――なっ!」
「うぽぴぽぴうぽぴぽぴうぽぽぽ――うぼっ!?」

 グチャンっ!!!

 俺は神精樹の丸太で強烈に突き入れた。
 扉と丸太に挟まれ、深き半漁人(ディープギルマン)の頭部は完全に潰れる。
 これでこの深き半漁人(ディープギルマン)も、先に逝った同胞たちと同じ所に逝けるだろう。
 トドメを刺してやることこそ、せめてもの武士の情け、なのだ。


 それに、経験値も入るし。


「マコトって、基本は優しいけど……苛烈なときは苛烈ね。容赦なさすぎ」
「まぁ、しょせんは経験値の素だからな」
「…………」
「冗談だって。でも、邪悪なモンスターは駆逐しておいた方が、人類の為にもなるだろ」
「それはそうだけどさ…………なんか、なんか」
「なんだよマル子」
「最初の頃のアンタと……なんか変わってきている気がする」

  ◆◆◆

 人は成長するのである。
 そして、変わるのである。
 俺も成長するし、性格などが変わることだってあるだろう。
 ウィザードリィみたいに友好的な(敵対的ではない)雑魚モンスターを、1回お情けで見逃してやったら、その瞬間、悪から善に180度変わったら、ビックリではあるけど。

 …………。

 でも、地球にいた時の俺と比べたら、確かに、変わってきていはいる、かな。
 特に、【ジョブ】が【狂戦士】になってからは、変化速度が高い、かもしれん。
 少し前までの俺なら、邪悪なモンスターでも生きる権利はあるという黒衣の宰相アシュラム閣下の言葉も、一理あると頷いていただろうに。

 いまでは、
 刀で
 悪(あく)・即(そく)・斬(ざん)
 ならぬ、
 丸太で
 悪(あく)・即(そく)・潰(かい)
 の方が、しっくりくる。

 それも、目的が正義の為だとか、か弱い人類を守る為、だとか、という訳ではない。
 いや、そういう気持ちもちゃんとあるけれど、それだけじゃない。

 暴れたい。
 破壊したい。
 殺したい。
 殺戮したい。


 そんな衝動が、戦闘中、自然と湧き上がってくる。
 まぁ、戦闘時はテンションがあがり、興奮しているためだとは思うけどね。
 それに、モンスターを見逃さず、殲滅・皆殺しにするのは、これも経験値の為だと、割り切り、特に何も感じなくなってすらきている。

 …………。

 性格とかアライメントを善か悪に別けたら、俺、悪(イビル)、になっているのかも。
 中立のつもりだったのに、いつのまにか、変化していたかも、しれん。

  ◆◆◆
 
「この扉の奥、気になるな」
「うん、あたしも」

 ギルマンが必死に開けようとしていた扉
 非常に強固そうな扉であり、魔法陣、それにルーンみたいな文字がびっしり書かれている。
 いかにも、奥になにかありそうであった。

「俺が“未来視”で視た生贄にされた女の子が、閉じ込められている可能性がなくもない」
「じゃあ扉の鍵を持っていたギルマンがいないか、死体を漁ってみなさいよ。そっちのギルマンは持っていないでしょうけど」

 マル子が発狂 → 死亡 した哀れなギルマンを指さした。
 まぁ、それはこのギルマンは鍵を持っていないであろう。
 持っていたら、使っていただろうし。

「でも、他のギルマンは鍵を持っている可能性はある、か」
「でしょ。倒したギルマンの人数は多いから、手間だけど、外に出て探しにいきましょうよ」

 普通なら、そうするであろう。
 コンピューターゲームでも、倒した敵から扉の鍵をゲットするのはよくあることだ。
 だが――

「いやだ、めんどくさいし」
「めんどくさいってアンタね」

 マル子が呆れたようにジトっとした目で見てきたけど、
「壊せばいい。俺とお前で」
「うわ……なんか楽しそうに言ったし」
 非常に強固そうな扉なのだ。

 むしろ壊してやりたくなっていた。
 破壊活動なら、めんどくさいとは思わず、むしろ、やってみたい。
 
  ◆◆◆

 扉は本当に強固だった。
 【耐久度】や【防御度】が半端なく高かった。
 神精樹の丸太による俺の《全力丸太突撃(フル・ログチャージ)》の一撃も、わずかに、傷が入った程度だった。
 【防御度】をギリギリ上回り、【耐久度】を少しだけ、削っていた。

「1発、2発で、駄目なら10発で――」
 
  ◆◆◆

「や、やっと、破壊できたわね」
「あ……ああ…………」

 疲労困憊の俺は、肩で荒い息をしながら、マル子に答えておいた。
 本当に頑丈な扉だったなぁ。
 結局、全力丸太突撃・10発でも一割ほど【耐久度】を削り、扉に小さな亀裂を走らせる程度、だった。
 半分意地になってきた俺は、扉への攻撃(アタック)を何度も何度も繰り返した。
 それこと百回以上。
 ちょうど、百八回目の全力丸太突撃で【耐久度】を削りきり、扉の破壊にも成功したけど。

「百八回、か。除夜の鐘を突く回数と同じだな」

 そういえば、漫画・彼岸島のヒロイン(?)『隊長』が、除夜の鐘は全国の坊主が一斉に丸太で鐘を突く、まさに丸太祭りだとか呟いていた気がするな。
 さすが隊長、その発想、グッドです。

「じゃあ、奥に入る?」
「ん」

 俺は、非常に強固だった扉を破壊できたことに満足感を覚えつつ、中に入とうとしたが――

「あ、ちょっと待って。マコト、アンタの疲労を癒してあげるから」

 神精樹の丸太に宿る精霊マル子がそう宣言した後、なにかの呪文を唱え始めた。
 神精樹の丸太から複数の“蔦”が生え、俺の身体を優しく包み込むように纏わりつく。
 “蔦”は癒されるような緑色の光も発していた。

「お……お……ぉお……おふぅ」

 こ、これは。
 まるで自分が赤ん坊になり慈愛に溢れる聖母に抱かれているような錯覚すら覚えた。
 素晴らしいリラックス効果と癒し効果だ。
 数分だけだったのに、精神的・肉体的疲労が消し飛んだ。

「最近、発動可能になった《木精霊女王の癒し(ドリアードクィーンズリフレッシュ)》よっ」

 マル子がドヤ顔になっていた。

「凄い効果だ。でも、一つ聞いていいかマル子」
「ええ、いいわよ♪」
「お前、丸太の精霊だから、正確には木精霊女王ではなく丸太精霊女王なんだよな?」
「………まぁ…………」

  ◆◆◆

 奥は、一寸の光も届かないような漆黒の闇の中だったが、暗視効果のある《神眼》を持つ俺には、苦にはならない。

「かなり広い部屋だけど、なにもないな。ん? でも、部屋の奥に、なにか置いている――」

 幾重にも重なる魔法陣の中心に、小さな宝石箱が置かれていた。
 いかにも、なにか重要そうなモノが入っていそうだ。

 興味を持った俺は、近づこうとしたら――
 部屋の中央に描かれていた魔法陣が白く光ったっ!

「《自動召喚(オートサモン)》ねっ! それもこの魔力量! マコト、相当な強敵が出てくるわよっ」

 緊張した声で忠告するマル子。
 強敵という言葉に、俺も緊張は覚えた。
 そして、それ以上に、歓喜を。
 どうにも、最近の俺は、戦闘民族化してきている。

「そんな……バグベアード」

 マル子が震えながらモンスター名を呟いた。
 中央の魔法陣から出てきたのは、宙に浮く巨大な目玉の化物だった。
 デザイン的には、妖怪博士・水木しげる先生のバックベアードに近い。
 TRPGソードワールドのバグ・ベアードにも近い。
 決して、D&Dのビホルダーではない。
 違うと言ったら違う。
 もちろん、漫画『BASTARD!!の鈴木土下座ェ門とも違う。
 だから編集者が土下座するようなことは起こらない――はずっ!

「マコト……あんたもアイツの強さとヤバさがわかるみたいね。真っ青な顔で汗びっしょりよ」
「ああ……色んな意味でヤバイ相手だぜ」


関連記事


  • 【神眼の勇者WEB版 第108話 【新規更新】】へ
  • 【Amazonアソシエイト 参加表明文】へ

~ Comment ~

感想では無いのですが

トップページの彼方此方にある
<(_ _)>
の顔文字ない方がイイです。
ものすごく卑屈に見えて逆に印象が悪いです

割烹やメールなどの中でたまに出るのなら良いのですが、トップに沢山あって毎回目に付くのはどうかな? と思います。

追記02/01
早速の修正ご苦労様です!
ずっと見やすく良い感じだと思います
これからも頑張ってくださいね!

NoTitle

>マコト……あんたもアイツの強さとヤバさがわかるみたいね。真っ青な顔で汗びっしょりよ」
「ああ……色んな意味でヤバイ相手だぜ」

著作権的な意味ですねわかります
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【神眼の勇者WEB版 第108話 【新規更新】】へ
  • 【Amazonアソシエイト 参加表明文】へ



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

――――――――――――――――――――――――――――――――

◇ご注意◇
掲載されている作品(小説など)の著作権は、特に記載なき場合、作者にあります(一部の作品は除く)
掲載されている小説は、特に記載なき場合、すべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止。行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
(管理人 ファースト)

――――――――――――――――――――――――――――――――
【アクセス解析】 神眼の勇者