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2015/01/15~

ぼっち転生記

ぼっち転生記 WEB版 第103話『闇のオークション』 【移転以降の更新です】


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◆◆◆

 城塞都市カレ

 非合法なものも扱うが、一夜にして莫大な金額が動くこともある“闇市”における最大規模の“オークション会場”である『我慾の館』

 俺は今、その“オークション会場”にいた。
 客として、ではない。
 出品者として、だ。

 ――幻といわれている“青いチューリップ”

 チューリップ愛好家の王侯貴族や大豪商たちが、家財を傾けてでも、手に入れようとするかもしれない幻の“青いチューリップ”。
 大草原から南方にそびえ立つ《冥界山脈(ヘルマウンテン)》には、天然の“青いチューリップ”が多数咲いていた。
 その数は百輪以上。
 今回、実際にどれだけ“青いチューリップ”の市場価値があるのかを計る為にもオークションに出したのだ。
 ちなみに“闇市”のオークションにしたのは、

 ● 国に税金を納めたくない
 ● 出所を細かく詮索されない闇市の方が、都合も良い

 などからである。
 
「“闇のオークション”って、なんだか危険で格好イイの☆」
 俺の頭にとまっているシィルがそんなことを言った。
 まぁ、闇市のオークションだから闇のオークションでも間違いはないけど。
 実際、裏のルートから流れてきた非合法な物品も取引されるようだし。
 裏ルートの闇オークション、なのであった。

「アッシュラム卿」

 偽名として使用している名を呼ばれた。
 呼んだのは、闇商人にして盗賊ギルドの幹部らしいグリードだ。
 この闇のオークションにおける会場『我慾の館』の所有者(オーナー)でもある。
 相変わらず、目付きが鋭く、そして昏い目の男だ。
 また、前にも増して、大物感がでてきている。
 城塞都市カレにおける一大闇勢力である盗賊ギルドにおける地位も、順当に上昇しているとのこと。

 グリードに招かれ、彼の隣の席に座る。
 超VIP席であった。

「……“その姿”のお前を見るのはまだ三度目だが、やはり、なかなかに堂に入っているな。実年齢が10代前半とはとても思えん」

 他者に聞こえないような音量で、グリードが俺の耳元で囁いた。
 今、俺は、貴重な魔道具『変化の短杖(ワンド)』で姿を変えていた。
 外見年齢40歳前後の中年男に。
 それも、食人鬼(オーガ)と豚人(オーク)と足して2で割ったような、超極悪面の人間に。
 身長185センチ、体重185キロという、巨漢でもある。
 正直、メタボすぎる身体(ボディ)の中年でもある。
 あと、身長の割に足が短い気もする。
 変身前の俺とは、似ても似つかない容姿だ。
 だからこそ、変身する姿としては“アリ”だけど。

「まぁ、俺は実際には40歳前後ともいえるから」
「ん?」
「いや、気にしないでくれ」

 グリードに向け、苦笑を俺は浮かべた。

「前世の年齢 プラス 今の年齢で40歳前後のアラフォーさんってこと?」

 シィルの質問に俺は頷いて肯定しておいた。

 前世、俺は20代後半で死んだ。
 そして今、俺は12歳ちょっと。
 合算すると、40歳前後のアラフォーといえなくもない。
 精神的には、むしろ12歳の少年より40歳の中年に近いと思うし。
 それだけに、この中年男の姿に、結構、馴染むのが早かったのかもしれない。
 また、この極悪面のメタボリックな中年ボディを、それはそれで、結構、俺は気にいっていた。
 目付きが異様に悪いのも、前世の俺と被るし。
 いや、前世でも、流石にここまで目付きは悪くなかったけど。

  ◆◆◆

「250っ」
「270」
「285!」
「290……いや295だ」

 『我慾の館』で開催されている闇のオークション。
 仮面などで顔の上半分を隠した男女が、狙った商品を落とそうと、駆け引きを交えながら、セリをしていた。
 身なりがよいだけでなく、どこか気品のある者も多い。
 上級貴族、なかには王族すら『我慾の館』をお忍びで訪れている――そうグリードが教えてくれていたが、事実な気はする。
 まさに紳士&淑女が集まっているのだ。
 目の色変えて、いや、目を血走らせながらオークションにのめり込む様(さま)は、ジェントルマンやレディーっぽいとは、とてもいえんが。

「……295で、決まるな」

 俺に囁くグリード。

「現在295です! 300以上の方はいませんか? 300以上はいませんか?」

 オークション司会進行役(オークショニア)=競売人が呼びかけるが、客達の反応は鈍かった。

 今、出品されている商品は古代魔道具『変わり身の人形』
 司会進行役(オークショニア)の事前説明によると――
 持ち主が生命にかかわる大きな肉体的負傷(ダメージ)を受けたさい、持ち主の代りにその負傷(ダメージ)を請け負ってくれる便利かつレアな魔道具、とのこと。
 ただし、一回きりの使い捨て品。
 保険として持っていてもイイかもしれないが、逆にリスクも増す。
 なにせ、その人形が他者に攻撃され、破壊されたら、持ち主にも肉体的負傷(ダメージ)がくるらしいのだ。
 保険になる代わりに、弱点も増えてしまう。

 俺はあまり好みではないので、スルーした。

 しかし、レアな魔道具(それも数少ない古代魔道具)だけに、欲しがる客達は多かった。
 金貨150枚からスタートし、すぐに200枚になり、そしていま、295枚の値がついている。
 金貨一枚は日本円ならおよそ10万円ぐらいなので、2,950万円の値がついていることになる。
 ちなみに、このオークションでは最低の刻みが金貨5枚(50万円)でもあった。

「300以上の方はいませんね? ……………………では、295で落札(ハンマープライス)」

 グリードの言った通り、295で決まった。
 流石の目利きだ。

「『変わり身の人形』は過去、300を超えたことはない。そういった品物が、200代から300代の“壁”を超えるのは、心理的にも難しいからな」

 グリードの解説には納得いくものがあった。

「落札した男は、それで290から295に変更したのか?」

 最低でも金貨5枚刻みなので、295枚より上になるには300枚以上にしなければならない。
 しかし、300枚を超えると、途端に割高に感じる。
 特に過去、金貨300枚以上の値がでてはいない『変わり身の人形』なら、なおさら。

「まぁ、そういうことだ」

 グリードはそう肯定した後、俺の耳元で
「あの男――ライネルス労働局副大臣――の資産と性格では、『変わり身の人形』にギリギリで295までは出せても300以上なら手を引いただろう。だから、彼は勝負に出た訳だ。そして、勝った。今回は、な」
 と、囁いてきた。

 闇のオークション会場で、客の名を他の客に教えるのはマズイ気がするが。
 これは、グリードは俺を特別扱いしてくれている証なのかも、な。

 …………。

 べ、別にたいして嬉しくなどないが。

  ◆◆◆

「――さて、次の品物は、これも貴重な古代魔道具のひとつ! 『千身(センシン)の鏡』ですっ!」

 司会進行役(オークショニア)の説明によると、満月の夜、月の光をたっぷりと浴びたこの“鏡“に己の姿を映すと、鏡から自分とそっくりそのままの”自分“が抜け出てくる――らしい。

 眉唾な話だ。

 もっとも、この闇オークションでは、出品された品物に関して嘘、偽りはまずない、そうだ。
 盗賊ギルドの誇る密偵(スカウト)たちが、ちゃんと調べあげている。
 もし、魔道具の偽物を用意した詐欺行為を出品者が働こうしても、即座に露呈するとのこと。
 そして、翌朝には腹に無数の石を詰められ、口と目を糸で縫われた状態で、愚かな出品者は冷たい川の底に沈められているだろう――と、グリードがニヒルに笑ってもいた。

 なんにせよ、グリードは己の所有する館で行っているこの闇オークションにおいて、“偽物”を徹底的に排除している、ようだ。

 入手の経緯は問わないが、“本物”しか競り(オークション)にはださせない。
 それが闇商人グリードの矜持、でもあるらしい。
 俺はその矜持を信じる。
 だから、あの『千身(センシン)の鏡』も本物であると信じよう。

「はいッアッシュ君、はいっ!」

 シィルが俺の目の前で右手を背一杯伸ばしてアピールしてきた。

「何だシィル?」
「私、あの鏡さんが欲しいですっ!」

 そんなに欲しいのか?

 たしかに役立ちそうな魔道具ではあるけど、さ。
 しかし、鏡が割れたら、出現させた“自分”は全部、消えてしまうらしいぞ。
 また、一回、“自分”を映し出すごとに、“鏡”は、破損するリスクがあるらしいじゃないか。
 運が極端に悪ければ、最初の一回目で、“鏡”が粉々に砕けちることもある、とのこと。
 それに、出現させた“自分”が友好的とは限らない。
 よくあるパターンで、オリジナルを殺しにくるのではないだろうか?
 そう考えたら、リスキーなアイテムすぎる。

「欲しいの! 買って欲しいの!」
「…………」

 俺が返事をしないでいると、シィルは俺の足元の床で仰向けになった。

 そして手足をジタバタさせて
「買って欲しいの! 買って欲しいの! ねぇ買って買って買って買って買って買って買って買って買ってなのっ!」

 だだっこか。

 しかし、シィルがこんな風にだだをこねるのは珍しいな。
 よほど、あの『千身(センシン)の鏡』が気にいったのだろうか?

「(…………買えたら、な)」

 俺は目だけで、自分の意志を駄々っ子風精霊に伝えてやった。
 アイコンタクトがかなりのレベルで可能な俺とシィルなので、ちゃんと伝わったであろう。

「やったぁ♪ っなの☆」

 シィルが小躍りしながら、また俺の頭の上に載ってきた。

 まったく、やれやれ、だ。

 一応、競りには参加してやるけど、そんなに大金はださないぞ。
 今回、俺は客として買いに来たのではなく、出品者の1人として売りに来ているのだから。
 幻といわれている“青いチューリップ”を。
 まぁ、余興の一つとして、少しぐらいは競りに参加してやってもいいが。

「では、『千身(センシン)の鏡』、金貨100枚の“100”からです! 最低の刻み枚数は、従来通り、5、ですぞ皆さま。では100から…………レディ、スタートっ」
「110」
「130っ!」
「……140」
「145……いや、149」
「150っ」
「155」
「160」
「165」
「170」
「1000」

………… シ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン…………

 む?

 会場が水を打ったように静まり返ってしまったぞ。
 俺はチマチマ金額を上げるのがめんどくさかった。
 だから、まぁ、これぐらいなら出してやってもいいと数字を最初に口にした。
 金貨1000枚(一億円)をあらわす1000の数字を口にした。
 そうしたら、皆、唖然としてやがる。

「アッシュ君…………私のために何が何でも、あの鏡さんをゲットしようと…………だからアッシュ君、好きっ☆ チュ、チュなの❤」

 シィルが超喜びながら、俺の頬に、なんども口づけしてきた

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~ Comment ~

次の更新いつになるんですか?最近サボり気味ですよね。

更新に関して

更新がなかなかできなくてもうしわけありません<(_ _)>

|襖|ω・`)チラッ…更新…

Re: タイトルなし

> |襖|ω・`)チラッ…更新…

更新が遅れ気味で申し訳ありません <(_ _)>
11月30日の発売日に合わせて、
11月末頃から、『ぼっち転生記』の更新をさせていただく予定ですので、こちらもお読みいただければ幸いです
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(管理人 ファースト)

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