【移転しました】ぼっち転生記と神眼の勇者とチート開拓記+きのこ【ファースト】

【ぼっち転生記と神眼の勇者とチート開拓記+きのこ】

サイトの運営・充実、それに寄付(日本盲導犬協会など)などに広告収入は使用させていただきます。
2015/01/15~

神眼の勇者

神眼の勇者WEB版 第111話 『「閃光眼」』 【新規更新】


 ←神眼の勇者WEB版 第110話 『「破壊光線」』 【新規更新】 →神眼の勇者WEB版 第112話 『「封神箱」』 【新規更新】
▼神眼の勇者1巻・Amazonにて予約受付中!▼ 

▲神眼の勇者1巻・Amazonにて予約受付中!▲  


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「その剣でアレに打ち勝てるの?」

 マル子が不安そうな声をだした。

「ああ、いける……はずだ」

 さっき目玉ババア=バグ・ベアードが放った黒色の破壊光線は確かに相当な威力だった。
 しかし、完全充電済みの聖剣『太陽の剣(ソードオブサン)』による《太陽光線(サンレーザー)》の方が、出力(威力)が上回ると確信を持っていた。
 最大出力の《太陽光線(サンレーザー)》なら、ね。
 《太陽光線(サンレーザー)》を最大出力で放てば、また完全充電するまで“次”は放てなくなるけど、それは別にいい。
 光線の打ち合いで押し勝てば、それだけでケリがつくかもしえない。
 たとえ完全決着まではつかなくても、大ダメージを負い、《硬直(スタン)》状態に相手がなれば、それだけでも十分だ。
 あとは、丸太を持った俺が接近し、間合いを詰め、至近距離からタコ殴りにすればいい。

「《破壊光線(デストロイレーザー)》っ」
「《太陽光線(サンレーザー)》っ」

 白色の閃光と、黄金色の閃光がぶつかり合ったっ!
 っ!?
 互角だとっ!?

「先ほどの《暗黒破壊光線》は最大パワーの75%じゃった。しかし、今度は100%よっ!」

 白き閃光を瞳から放つバグ・ベアードが叫ぶ。
 誤算だ。
 さっきの黒い閃光は100%か、100%に近いと思っていた。
 それが75%程度――8割未満だっただと。
 そして、100%の《破壊光線》は、完全充電済みの聖剣『太陽の剣(ソードオブサン)』による最大出力の《太陽光線(サンレーザー)》と全くの互角なのだ。
 互角は――不味(マズ)い。
 なにせ、聖剣『太陽の剣(ソードオブサン)』は太陽電池による充電式。
 それも、最大出力時は、電池の減りが凄いのだ。
 バグ・ベアードの力が尽きるより、『太陽の剣(ソードオブサン)』のエネルギー切れのほうが、どう考えも早そうなのだ。

 クッ。
 あと少し。
 あとほんの少しなのに。
 今、全くの互角なのだ。
 ここにもう少しだけ“力”が加われれば均衡が崩れ、一気に押し勝つのに。

 クソッ!
 このとき――俺の右目が焼けるように熱くなった。

 そうだ、《神眼》にはっ!
 《神眼》にもっ!
 あるっ!
 閃光を放つ業(スキル)がっ!

 さほどの威力がないので、軽視しがちだけど、《神眼》にも《閃光眼》という閃光(光線)技があるのだ。
 熟練度が低いこともあり、大した出力(威力)ではない。
 しかし。
 しかし、この場面においては、弱出力の閃光でも――

「《閃光眼》っ」
「ぬ……ぬぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!」

 俺は聖剣からだけではなく、右目からも閃光(光線)を放った。
 女神リアナから授かりし《神眼》が宿った右目。
 出力(威力)は、聖剣『太陽の剣(ソードオブサン)』が最大出力で放っている閃光(光線)のせいぜい、一割であろう。
 しかし、いまは、その一割が拮抗を大きく崩した。
 俺とバグ・ベア―ドの中間地点で競り合っていた二つの閃光(光線)。
 そこに、細く弱弱しい閃光(光線)が加わったことで、押し勝つことができた。
 もう、バグ・ベア―ドの直前まで迫っている。

「ぬかったわっ! よもや《神眼》使いじゃとはなっ…………ぐ……ぐぁあぁぁぁぁぁあああっ!!!!」

 ドォオオオオオオオオンンンンンっ!!!!!!

 閃光(光線)の打ち合いを俺は制した。
 もう、ほとんど聖剣『太陽の剣(ソードオブサン)』のエネルギーは尽きかけているが、それは構わない。
 俺は聖剣を投げ捨て、代わりに両手で神精樹の丸太を抱え込む。

「勝機っ!」

 丸太を担いで俺は疾走した。
 数秒でバグ・ベア―ドとの間合いを詰める。
 閃光(光線)の打ち合いに敗れたバグ・ベア―ドは、その瞳に大ダメージを受け、もだえ苦しんでいた。
 致命傷ではなくとも、ダメージが大きすぎて、しばらくは行動不能のようだ。
 そして、この機を逃す、俺ではない。

「やっちゃえマコトっ!」
「おおぉぉぉっぉおおっぉらぁぁぁぁあっ!!!!!!!!!!!」

 マル子の声援を受けつつ、俺は丸太を振りかぶった。
 おそらく、この強攻撃の一撃でケリはつく。
 仮に、相手が生き残っていても、二撃、三撃と連続で丸太の連撃を叩き込む。
 丸太乱舞、あるいは丸太煉獄で、仕留めきる。
 俺は己の勝利を確信した。

 ドゴォォォォォォォォォッォォォオッォォォォォッッッ!!!!!!!!!!!!!


「!? ど、どうしてマコトっ!?」

 驚きの声をあげるマル子。
 俺が、振りかざした丸太の一撃を外したからだ。
 外れたのではない。
 外した。
 俺がわざと外したのだ。
 苦しみ呻くバグ・ベアードのすぐそばの床にポッカリと大穴を空けこそしたが、バグ・ベアード本体には掠ってもいない。

「ねぇ、どうして外したのよ。とどめ、刺さないの?」
「ん」

 この時俺は、バグ・ベア―ドを殺すことに抵抗を感じていた。
 《深き半漁人(ディープギルマン)》の時とは、相手に対する感情も感覚も違う。
 あいつらは、俺を捕え、逃げられないように両足を引きちぎるなどと言ってきやがった。
 それに、俺を捕えた後、ギルマンどもには、俺をそのまま生かし続ける気もなく、邪神かなにかの生贄にするか、あるいは、そのうちあいつらに食い殺されていたであろう。
 しかし、このバグ・ベア―ドからは、敵意や殺気のようなものは感じなかった。
 俺を“試して”いるかのようではあったけどな。
 なにより――

「トドメを刺す気分にならない、ですって?」
「ああ」
「呆れた……まぁ、アンタの好きにすればいいけど」

 マル子は呆れたようにジト眼を俺に向けてきたが、でも、ソコは重要だと思う。
 俺の“気分”は超重要。
 生殺与奪権が俺にあるなら、それこそ、俺の“気分”で助けるかぶち殺すか、決めさせていただきたい。
 そして、憎しみ、恨みがあるでもなく、それに、そこまで邪悪だとも思えないバグ・ベア―ドを殺す気には、どうもなれなかったのだ。
 だから、俺はその“気分”に従うことにした。

「邪神の眷属であるバグ・ベア―ドにキッチリとどめを刺して倒せば、経験値も大きいのに」
「……う……」

 今一瞬、やっぱりトドメ刺しちゃおうかなぁ~なんて、迷いが生じたのは秘密だ。

「ク……クク……クハハ。負けじゃ、わしの負けじゃよ」

 トドメを刺さないでやったバグ・ベアードが、潔く負けを認めてきた。
 うむ、これで本当にトドメを刺せなくなったな。
 ………………経験値………………
 い、いや、いまさら別に惜しくはないよ。

「ヌシの“力” だけでなく、その“度量”にも、敬意を称し、ワシの真なる姿を見せようぞ」
「え、その目玉ババァ姿(巨大目玉姿)は偽物なのか?」

 疑問に思ったら、口に出ていた。

「偽物――というわけではない。このモンスターたる異形の身体もまた、ワシの姿の一つ。しかし、古代単眼族ワンアイルたるワシは、より人に近い姿を持つ。そして、その人型こそ、古代単眼族にとっては真なる姿」

 ほ、ほぅ。
 古代単眼族なる言葉に、俺はなにか惹かれるものを感じた。
 ぬ?
 黒い霧が目玉ババアことバグ・ベアードを覆った。
 しかし、一瞬でその霧は晴れる。
 霧が晴れた後には――裸体の幼い少女が立っていた。
 単眼の。
 顔には、大きくそして綺麗な眼が一つ、また、小さいが形の良い鼻と愛らしい可憐な口があった。

 ………………。

「これが、ワシの真の姿じゃよ」

 幼女姿でも老人言葉でバグ・ベアードはしゃべり続けた。
 目玉のババァではなく、目玉のロリババァだったようだ。
 しかし、なんというか、これは――
 俺は、蒼髪の長髪で、前髪はぱっつんと切りそろえられた幼い少女姿のバグ・ベアードを凝視した。
 ほとんど人間の幼女と変わらない。
 単眼(モノアイ)であることを、除けば、だが。
関連記事


  • 【神眼の勇者WEB版 第110話 『「破壊光線」』 【新規更新】】へ
  • 【神眼の勇者WEB版 第112話 『「封神箱」』 【新規更新】】へ

~ Comment ~

NoTitle

モノアイナ時点で同しようもないレベルで怖い話
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【神眼の勇者WEB版 第110話 『「破壊光線」』 【新規更新】】へ
  • 【神眼の勇者WEB版 第112話 『「封神箱」』 【新規更新】】へ



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

――――――――――――――――――――――――――――――――

◇ご注意◇
掲載されている作品(小説など)の著作権は、特に記載なき場合、作者にあります(一部の作品は除く)
掲載されている小説は、特に記載なき場合、すべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止。行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
(管理人 ファースト)

――――――――――――――――――――――――――――――――
【アクセス解析】 神眼の勇者