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2015/01/15~

神眼の勇者

神眼の勇者WEB版 第114話 『呪眼の女神カース・アリス』 【新規更新】


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ビキ……ビキビキビキィっ!

 小型の宝石箱のような《封神箱》に無数のヒビ・亀裂が走った。
 目も眩むような光が、漏れてもきた。

 そして――

 《封神箱》が完全に割れると同時に、凄まじい光が部屋を満たす。

「うぉっ!? 眩しっ!?」

 《神眼》を持つ俺ですら、目を開けていられないほどの凄まじい光の量だ。
 数秒間は、目を瞑るしかなかった。
 ようやく、うっすらと目を開けて俺は、《封神箱》があった場所に、黒いドレス姿の女性がうずくまっているのが見えた。
 後頭部を両手で抑えて。
 濡れたように美しく非常に長い黒髪をした女性だ。
 そして、その後頭部には物凄く巨大な『タンコブ』が出来ていた。

 ………………。

 『超過した分のダメージは、封印されている相手に及ぶ』

 ベア子の発言を俺はまたも思い出した。

 え?
 あれ?
 あの超痛そうな『タンコブ』ひょっとして、俺のせい?

 クリティカルヒット級の手ごたえを感じた最後の全力の一撃。
 残り1であった《封神箱》の【耐久度】を超過したことは間違いない。
 そして、その超過したぶんが、おそらくは、今、頭を押さえて「う~、う~」と動物のように呻いているあの女性に…………。

 な、なんか、良心が痛んできた。

 ベア子の話から、相手はおそらく闇女神であり、邪神なのだろうが、そんなことを気にしていられなかった。
 俺は慌てて黒髪の女性に近づく。

「だ、大丈夫……ですか?」

 年齢は不詳ながら、相手は『神』かも知れない存在。
 俺は敬語を使いつつ、相手を気遣った。

「う? う?」

 後頭部を抑えつつ、奇妙な声を発して女性が顔をあげる。
 長い前髪で顔の半分が隠れていた。
 どんな瞳をしているのか気になるが、彼女の目は前髪により視認できない。
 ひょっとしたら、ベア子のように単眼キャラなのかもしれないが、それも確認できなかった。
 ただ、すっと鼻筋の通った形の良い鼻梁や、やや小ぶりだがぷっくりと柔らかそうな薄ピンクの唇から、相当な美形である気がした。
 また――外見年齢は20歳を越えていそうだ。
 20代半ばに見えないこともない。
 それなのに、着ている服は――ゴスロリ風の黒ドレスだった。
 なんか彼女は『痛い』キャラのような気がした。

「……う……う?」

 右手の人差し指をその可憐な唇に触れされつつ、小首をちょこんと曲げて考え出すゴスロリのお姉さん。
 その仕草は幼い少女っぽくて、可愛く見えた。
 外見年齢は20代半ばだけど。
 まぁ、外見年齢がアラサーやアラフォーの女性に、ゴスロリのドレスを着て、同じような仕草をされるよりは、『痛さ』は、まだかなりマシではあるが。

(お父様っ!)

 ん?

 いま、頭に直接、誰かの声が聞えたような――

「う~~っ♪」

 うぉ!?

 ゴスロリお姉さんが俺に抱き着いてきた。
 そして、動物のように頬をスリスリと寄せてもきた。
 な、なんだ、この反応は?

「わ、わが主様は、いったい、どうなされたのじゃ?」

 困惑の声を単眼幼女姿のベア子が発した。

「え、じゃあ『コレ』本当に闇女神なの?」

 俺は、いまだ頬をすりよせているゴスロリお姉さん(推定・闇女神)を指さしつつ、ベア子に尋ねた。
 不遜かもしれないが、つい、『コレ』呼ばわりをしてしまった。
 だって、なんか生まれたての子猫や子犬みたいで、威厳なんか微塵もなかったので。

「そ、そうじゃ。そのお姿、間違いはない。我が主様にして闇女神であられる《呪眼の女神カース・アリス》様……じゃ」
「マジですか」
「マジ……じゃ」
「《呪眼の女神カース・アリス》って、こんなキャラなのか……」

 今度は、それこそ子猫や子犬のように俺の頬を一心不乱に舐め回してきたゴスロリお姉さんに困惑していた。
 さっきから、「う」とか「うぅ」とか「う~」とか喋っていないし、本当に動物みたいだ。
 あるいは――動物並みの知能しかない、極度に知恵遅れの女性。

「我が主様は、誰とも馴れ合わず、孤高を愛し、誇り高き闇女神にして、姦計や謀略・策略・計略も得意とした知恵者。そ、それが、なぜ、このような阿呆(アホウ)に……ゴホン……小動物みたいになっておられるのじゃ? よもや、《封神箱》により長年に渡り封印されてしまった影響? 痴呆が進んだ? 《呪眼の女神カース・アリス》様は、神々の中でも、かなり古き神であるし…………」

 単眼幼女姿のベア子が、その小さな顎に小さな手を当てながら、悩みだしていた。

「ピキーーンっ! 読めたのっ!」

 見学していた風精霊が、ポンッと手を叩いた。

 アホ毛がピキーンと立ってやがる。

「《封神箱》に最後にぶち込んだマルタくんの渾身のクリティカルヒットで、超過したダメージが、このアホの子お姉さんに及んだの。しかも、後頭部(脳)に大ダメージがいって、そのせいで、頭、パッパラパーになっちゃったの! うん、間違いないの☆」

 そ、そんな馬鹿な。

 俺は風精霊が自信満々に述べた言葉に愕然としてしまった。
 それでは、《呪眼の女神カース・アリス》が、こうなってしまったのは、ほとんど――いや100%、俺のせいではないか。

 え、これって、責任取る必要あるのかな、やっぱり。

「あ、私の“大切なヒト”が私を呼んでいるの。だから向こうの世界に帰るの。神速の速さで」

 お、おい。

「ばいばいき~~~ん☆」

 自由すぎる風精霊は、言いたい事だけ言い残して、その姿を消した。
 元の世界に帰ったのだろう。

 風精霊はともかくとして。

「コレ、どうしよう」

 仮にも神(闇女神)をまたもコレ呼ばわりしつつ、俺は困っていた。
 さんざん、俺の顔を舐め回したゴスロリお姉さん(知能は動物並み)は、今、胡坐を書いている俺の膝で、眠りについていた。
 安心しきった様子で、おねむであった。
 まるで、子猫や子犬が、親に触れながら、安心して眠っているかのように。

「…………闇女神や邪神とは、とても思えないな」

 それこそ、動物のように純粋無垢に思える《呪眼の女神カース・アリス》
 俺の膝に頭を載せ、スースーと安らかな寝息を立てていた。

 ……………。

 ところで、この女神の目は、どうなんだろう?
 ベア子のように単眼なのだろうか?
 それとも、二つ?
 あるいは、意表を突いて三つ目(三只眼)だったりして。
 興味が涌いてきた俺は、起こさないように気をつけながら、そっと、闇女神の長い前髪に触れて、そっと掻きあげ――

 っ!!!???
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