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2015/01/15~

SS集

ぼっち転生記SS② -ぼっちエルフ-


 ←ぼっち転生記SS 『聖帝玉言集』(エターナル学園) →神眼の勇者WEB修正版 第100話
 エターナル帝国の国民に【エルフ】の数は少ない。

 もともと、エルフとは、森に住み人間社会とはあまり接触しない種族である。
 ゆえに、奴隷制度のある人間社会において『奴隷』にされるエルフも数は少ないのだ。
 そして、美しく、外見の若々しい期間が長いエルフは、『奴隷』としての価値も高い。
 数が少ないだけに、なおさらである。

 『奴隷』の子供たちを生徒として集めたエターナル帝国・帝立エターナル学園。

 この学園においても、エルフの数は少ない。
 生徒数、300人を超える学園において、1~2%にあたる4人しかいないのだ。
 その4人が、団結し、いわゆる“仲良しグループ”であるかというと――そうでもなかった。

 ユーシア大陸・北方地域のエルフ王国出身であるレイコォルシア・シンドゥ。

 初雪のように白い肌と豊かで美しい金の髪を持つ若いエルフだ。
 外見だけでなく、実年齢も若い。
 見た目は10代半ばの美少女妖精であり、実年齢も今年で15歳である。
 10代前半の者も多いエターナル学園において、年齢でいえば、年長者ではあった。
 見た目は幼女だが、実年齢は30歳(アラサー)と40歳の(アラフォ)ドワーフ姉妹のような、ずっと年輩の者も学園にいたりもするが。
 
 レイコォルシア・シンドゥは、エルフ王国において、大貴族の地位にあった。
 それだけにプライドは高い。
 そして、性格的に、天邪鬼で素直になれない少女だった。
 そのことが、彼女を、他の生徒たちと――同じ種族であるエルフたちとですら――“壁”を作っていた。

 レイコォルシア・シンドゥの愛称は、名前を縮めて、「レイア」である。

 しかし、この学園、この地において、彼女を「レイア」と呼ぶ者はいない。
 親しい者が1人もいないからだ。
 そして、レイコォルシア・シンドゥ=「レイア」は、
 誰にもこの学園にいる誰にも、自分の「レイア」という愛称を教えてもいない。
 教える相手もいない。
 親しいと思える人間が1人もいないからである。
 彼女はずっと――ひとりぼっちであった。
 祖国が人間に侵略され、凌辱され、滅ぼされ、ただ一人、奇跡的に生き残った7年前からずっと――



「…………ぼっちでいたい   ぼっちはさびしい…………」


 学園校舎の屋上にて、レイアは呟いていた。
 『聖帝玉言集』に掲載されていた“言葉”を
 彼女の目には、うっすらと涙すら浮かんでいた。
 先ほどの言葉が、一人ぼっちでいる彼女の心にとても響いてきたからだ。

 周りには誰もいない。

 だからこそ、泣いているのだ。
 いや、泣けるのだ。
 泣いてもいいのだ。

 プライドの高い彼女は、周りにだれかいたら、泣くような真似はしない。 
 いや出来ない。

「レイたん、アッシュ君の呟いた言葉で、ウルウルだね☆」

 ビクッ!

 肩を震わせたレイアは、慌てて腕で目を擦り、涙を拭いた。
 そして、周りを見渡す。
 しかし、誰もいなかった。

「…………気のせい……よね」

 レイアはほっと胸をなでおろした。
 その右肩に、じつは、風精霊が一体、腰掛けているのだが。
 アホ毛の生えた風精霊である。
 しかし、素質はあれど、精霊使いとして開花していないレイアには、“まだ“精霊の姿を見ることは出来ないのである。

「でも、“人間“なんかが、これほど、私に……私の心に……届く言葉を、発していた……なんて……」

 レイアは複雑な表情で『聖帝玉言集』の冊子に視線を落とした。
 彼女は“人間“が嫌いだ。
 いや、憎んでいる。

 祖国を滅ぼし、母も姉も凌辱し攻め殺した人間ども。
 高貴な自分を捕まえ、賤しい奴隷などに落とした人間ども。

 赦せるものではなかった。
 人間はみな、憎悪すべき粗暴かつ残虐な生き物なのだ。

「でも……」
「でも――」
「……あの人は…………」
「…………あの人だけは…………」
「……どうして……」
「……どうして、貴方は」
「……人間……」
「……人間なのです……か……」
「……どう……し……て……」

 レイアは『聖帝玉言集』を胸に抱き、苦しそうに呟いていた。

   ◆◆◆

 エターナル帝国・エターナル城(キャッスル)

 皇帝執務室
 皇帝アッシュは、執務用の机に右手の肘をつき、頬に拳を当てていた。

「……サラ……ルゥルゥ……ドワーフ姉妹のアンとリン……女魔人のルイーラにアリアル、ケイ、セーラ……」

 何人かの名前を口にしていた。

「……レイコォルシア……」

 レイアの名も、だ。
 “精霊使い養成特別学級“に選抜する予定である生徒たちの名だ。

「……全部で48人、か。意外と多いな。本当に彼女たち全員に精霊使いの才能があるのか?」
「もちのロンなの☆」

 アッシュに尋ねられ、自信満々に答える風精霊シィル。
 パチっ☆
 と、ウィンクもしていた。

「むぅ」
「素質・才能に差はあるけど、みんな精霊使いとしての才能ある子たちなの!」
「……48人は多すぎないか?」
「そんなことないの。それにASH48を結成するには、人数がそれぐらいはいるし」
「いや、そんな団体を作る必要はないのだが」

 風精霊に、前世知識としてAKB48のことを話したことがあったアッシュは苦笑していた。

「ASH48を競い合わせるの。センターは誰かとか、総選挙するとか、ね☆」
「…………なんで、全員、女なんだ? 男にだって精霊使いの素質がある者はいるだろ?」
「ASH48に男の子はいらないの☆」

 精霊使いの素質がありそうな人材を探すとアッシュに請け負っていた風精霊シィルが、平然と言い放った。

「オイオイ」
「49人目として、女装っ子とか、男の娘はアリ、だけど☆」
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