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2015/01/15~

ぼっち転生記

ぼっち転生記 WEB版 第104話『ぼっち的・二律背反』 【移転以降の更新です】


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 城塞都市カレにある『我慾の館』
 非合法なものも扱うが、一夜にして莫大な金額が動くこともある“闇市”における最大規模の“オークション会場”である『我慾の館』だ。

 俺は、その“オークション会場”から出てきたばかりだった。
 今回、俺が出品した“青いチューリップ”は想定以上に高値で落札された。
 そのため、俺は上機嫌だった。
 そのこともあり、ついつい、オークションにて色んなものを落札・購入してしまった。
 後から考えたら、なんでこんなものを大金だして買ったしまったのかと、後悔してしまいそうな物も混ざっていそうだったが。
 物理的ダメージに対して、かなりの防御力を持つ魔防結界を、危機が迫った際、自動的に発生させる魔道具《自動結界の腕輪【物理・効果大】》など、役に立ちそうな物も、もちろん買っておいたが。
 どれぐらいの効果がある魔防結界というと、石の城壁以上に“固い”らしい。
 それこそ、鋼鉄の箱に入っているほどの防御力とのこと。
 前世、俺が好きだったコンピューターゲームのウィザードリィでいえば、AC(アーマークラス)‐10(マイナス10)かもしれない。シャーマン戦車並みの防御力かもしれない。
 特に、危機に瀕して自動発動してくれる点が有難い。
 俺的にポイントが高い。
 防御系の精霊術で身をも守るにしても、不意打ちや奇襲、あるいは偶発的な事故などでは、精霊術を使う暇がないことだってありえる。
 風精霊シィルをはじめ、精霊たちが自発的に俺をとっさに守ってくれることを期待もできるが、それにしたって、限界がある。
 転ばぬ先の杖として、《自動結界の腕輪》は購入しておいた。
 欲しかったので、落札するために金貨2000枚以上使ってしまったけど。
 日本円にして、2億円以上だ。
 しかし、この魔道具で、先々、命を拾うこともあるかもしれないと考えたら、決して高い買い物とはいえないのではないだろうか。
 金で命は買えないからな。

「そんな腕輪なんかなくたって、私がアッシュ君を守ってあげるのになぁ」

 さっそく腕に嵌めていた《自動結界の腕輪》を指で触っていたら、俺と一番親しい精霊であるシィルがそんなことを口にした。
 ………………。
 金で命は買えない。だが、場合によっては、金があれば助かる命もある。
 でも――

「…………友情だけは、金で買えない」

 もし金で買える友情があれば、そんなものは“本物”ではない。
 少なくとも、俺にとっては。

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 数日後。

 俺は大草原に設置した城の執務室で、ルナと話をしていた。この国の政治的な政策・施策などに関してだ。
 真面目で勤勉かつ、優秀なルナは、この国にとって欠かせない人物だ。
 優れた宰相として、俺の片腕になってくれている。
 ある程度の期間なら、彼女に任せて、俺がこの国いなくても、大丈夫であろう。
 ルナがいれば安心なのだ。
 いつか行ってみたかった、世界一周の旅もそろそろできるかもしれない。
 宰相であるルナにこの国を任せて。
 “委任”するのである。
 シミュレーションゲームのお馬鹿なAIよりずっと優秀なルナに“委任”である。
 人との触れ合いを求めている俺ではあるが、一方、1人になりたい時もある。
 それに、誰も俺を知らない土地を旅し、なんのしがらみもなく自由に過ごしたい――なんて願望もある。
 人との繋がり・絆を求めつつも、時には全てのしがらみを捨て、自由になりたかった。
 孤独(ぼっち)になるのを恐れ、避けていながら、孤独(ぼっち)になりたい時もあるのだった。
 二律背反(にりつはいはん)する願望なのかもしれないが、人というのは、そういった矛盾する思い・願いを抱くものなのではないだろうか?

「アッシュ君は、めんどくちゃい人だものね☆」

 シィルがそんなことを言ってウィンクしたが、スルーする。

「1人旅から帰ってきたとき、みんなに暖かく出迎えてもらって、自分が本当の意味で孤独(ぼっち)ではないことを実感したり、みんなとの絆を再認識したいんだよね☆」

 俺の心を読んで……ゴホン…………邪推してシィルがそんなことを口にしているが、スルーする。
 俺は唐突にルナにこう尋ねた。

「ルナ、今なら俺が、この国を離れても、大丈夫だよな?」

 手に持っていた大量の資料をルナは床に落とした。

 そして顔面を蒼白にし、非常に取り乱しながら、
「お、お、王。い、いえ、ご、ご主人さま。ま、まさか、この国を……皆を…………わ、私を…………お、お捨てに……な、なられるの…………で…………す……か?」

 なんか、とてつもなくショックを受けていそうだな。
 俺がこの国、それにルナを捨てるかもしれないと思って。
 さらにルナは、床にひざをつけ、俺の足にしがみついてきた。そして涙すら流して必死の様子で、

「お、お願いしますっ! 捨てないで…………捨てないでくださいご主人様っ! お願……お願いします……お願いしま……す。お願…………」
「アッシュ君、顔にはださないけど、満更でもなさそうだね☆ ルナたんが、アッシュ君とどれだけ離れたくないのか、改めて実感して☆」

 だから邪推するなシィル。

 それはまぁ嬉しく思わないでもなかったが。
 でも俺は、別にルナの心を試したくて、俺が離れてみてもとか、言ってみたわけじゃないぞ。

「例えば、の話だルナ」

 そう俺が言ったら、ルナは心底安堵していた。

「た、例え話なのですね………………よかった………………」

 涙を拭きながら、そんなことを呟いていもいた。
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 さらに数日がすぎた。

 俺はいまだ全てを回ってはいない広大な大草原やその周囲を視察・巡回していた。精霊術で空を飛んで。

「今日は西の大森林周辺まで見に行ってみるか」
「でもアッシュ君。大森林は巨人たん達がたくさんいて超危険だから、近づかないことにしていたよね? 大丈夫なの?」
「まぁ、大森林の上空は飛ばず、その周囲を見て回るだけにしとくから、そんなに危険は無いだろシィル」

 俺の頭にのっている不安そうな声で聞いてきたシィルに軽い気持ちで俺はそう答えていた。
 このとき俺は思いもしなかった。
 あんな恐ろしい目にあうことを。
 俺にあのような恐ろしい運命が待ち構えていることを。
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「大森林の周辺にも、結構、巨人たちがいるな」

 俺は西に相当な距離を飛び、大森林からそれなりに離れた丘の上空を飛んでいた。
 大森林から出てきているのであろう巨人たちの姿を数十体視認できていた。
 数十メートル級の大巨人たちの姿も。
 もっとも、俺は精霊術で姿を消しているから、巨人たちに視認されることはないだろうけど。

「甘いのアッシュ君っ」

 シィルが警告するように言った。

「巨人たん達の中には、凄い特殊能力(スキル)を持っている巨人たんもいるのっ! 例えば、単眼巨人(サイクロップス)系の巨人たんのなかには、その大きなお目目(めめ)の特殊スキ能力によって、普通は視認できない私たち精霊のような霊的存在もバッチリ見える巨人たんもいるし。魔法とか術とか特殊能力で姿を消していても、バレバレだったりするよ」
「マジでか」
「マジなの☆」

 むぅ。そいつは厄介だ。

 巨人というと、イメージ的に図体がでかくて力(腕力)は凄いが、頭が悪かったり、動きがにぶかったり、力押しの単細胞だったり、するようなイメージがある。
 正直俺も、そんな偏見を持っている。
 しかし、どうも巨人たちは力だけでなく、様々な特色能力・スキルを持っている種族もいるようだ。
 この世界の人類にとって、あまり研究が進んでおらず、謎の多い巨人たちだが、シィルが俺に嘘をつくことは考えぬくい。
 精霊術で姿を消しても、一部の巨人たちには視認されてしまう危険があることは、肝に銘じておかなくては。
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